電子マネー求める高齢者に何度も声かけ 特殊詐欺被害防ぐ 豊岡署、コンビニ副店長に感謝状

2022/07/21 05:30

署長感謝状を受け取る河関美由紀さん=豊岡署

 特殊詐欺を未然に防いだとして、兵庫県警豊岡署は、ローソン出石町寺坂店(豊岡市出石町日野辺)の副店長、河関美由紀さん(57)に署長感謝状を贈った。 関連ニュース グウグル、れじ…手書きメモでピン 若手店員は「例えば」と、丁寧な説明で詐欺被害防ぐ 電子マネー高額購入で「大丈夫?」 詐欺被害防いだコンビニオーナーが今も後悔すること 特殊詐欺被害、1年間で6回目の阻止 兵庫のコンビニが店ぐるみで警戒していたこと

 同署によると、5月7日に「電子マネーを1万円分購入したい」という女性(75)が来店。女性は3月ごろから2回、電子マネーを求めて姿を見せており、河関さんや従業員が購入の理由を尋ねると、「知り合いだから」などと返答した。
 河関さんは不審さを拭えず、「その人物と会ったことはありますか」「詐欺です」「店を出ると返金できなくなります」と購入を強く制止したが、女性は2回で計約5千円分を購入したという。
 5月7日の3回目の来店で「また購入する」と、河関さんは直感。購入理由を聞くと、「手数料を払えば、35億円が受け取れるとのメールが届いた」と答えたため、差出人をネットで検索したところ、詐欺だと判明した。女性は信じ切っていた様子だったが、手数料の振り込みを未然に防いだ。
 河関さんは「全部を防止できなかった。言葉足らずだとは思わなかったが、止められなかったことに悔いが残る」とした。
 河関さんは昨年7月にも同様の特殊詐欺を食い止めた。松本薫署長は「声をかけて初めて防止できる。粘り強く説得してもらい、感謝している」と述べた。(丸山桃奈)

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