神鍋高原拠点に活動するNPO フリースクール開校 自分の生き方 見つける場に 自然や地域を教科書に

2022/07/30 05:25

フリースクール「トイロ」を開校する前田敦司さん(右)と由香里さん=豊岡市日高町日置

 神鍋高原を拠点に野外体験活動を実施している豊岡市日高町名色のNPO法人「かんなべ自然学校」が6月1日、子どもたちが生き方を学べるフリースクール「トイロ」をJR江原駅前に開校する。閉店した商業ビル(同市日高町日置)の1階を借り、約280平方メートルの“校舎”を開設。神鍋高原の拠点施設と合わせ、子どもたちが楽しみや生きがいを見つけられる場を目指す。(阿部江利) 関連ニュース 【大阪・関西万博 EXPO2025】半世紀超え、万博に原子力 電源活用、消費地へ願う 元運転員「思いはせて」 雪の恩恵、100年後も 神鍋の脱炭素化へ観光協会が基金 ハチドリ電力、電気料収入の1%繰り入れ 豊岡市長選、関貫市長が立候補表明 「満足感じるまちに」


 同法人は、東京からUターンし、地元の自然ガイドも務める前田敦司さん(35)が2013年に設立。「遊びの中に学びがある」をモットーに、妻の由香里さん(44)らと、渓流ウォークや雪山ハイキング、子ども向けのキャンプ合宿などを手掛けている。
 活動に参加する子どもには日常生活に悩みを抱える様子の子もおり、前田さんは「学びとは何か」と自問を重ねた。教科書の内容を学ぶだけでなく、自然や地域と関わる中で、生きていく上で必要なことを学べる場をつくりたいとの思いに至った。
 目指すのは米国発祥の「デモクラティック(民主主義的な)スクール」。子どもや保護者、関わる大人が互いに話し合いを重ね、どう過ごすかを決めていく。登下校の時間だけは決まっているが、後は「川遊びをする」「買い物に行っておやつを作る」「勉強する」など、子どもが自ら過ごし方を考える。
 「トイロ」の施設内には、学習や遊びができる机やキッチンなどがある大広間と、畳部屋があり、生活は前田さんらが支援する。子どもが希望すれば、農家や職人、漫画家や医師ら地元の大人と交流する場を設けるほか、地域行事にも参加する。前田さんは「自分が興味を持ったことにとことん向き合い、やりたい仕事や自分の生き方を見つけてほしい」と話している。
 対象は6~18歳程度。定員は先着20人。平日の午前8時半~午後3時半。昼食は持参する。入学金1万円、学費は月3万5千円。見学や面談、体験入学(有料)が必要。トイロTEL0796・20・3541
【2020年5月31日掲載】

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