「防災の日」前に一斉訓練 非常時に調理「かまどベンチ」披露 避難所の感染対策も確認
2022/08/29 05:30
座板を外せば、かまどとして使える「防災かまどベンチ」=豊岡市出石町松枝
9月1日の「防災の日」を前に、兵庫県豊岡市と香美町で28日、災害を想定した一斉避難訓練があった。同市出石町松枝の小松公園では訓練後、住民ら手作りの非常時には調理などに使える「防災かまどベンチ」が披露された。(長谷部崇)
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れんが囲いの土台に座板を載せたベンチで、座板を外すと、下に金属の網があり、かまどとして使える。滋賀県の工業高校から全国に広がったという。
小松公園のベンチは、地元の弘道コミュニティ協議会安心づくり部会が7月に制作。部会メンバーでコンクリート会社工場長の泉道春さん(47)が設計し、建設業のメンバーも重機を出して協力した。地面を掘削して基礎ブロックを敷き、耐火れんが約100個を5段に積んだ。
お披露目式では、まきをくべて大鍋に湯を沸かし、アルファ化米のかやくご飯150人分を住民に振る舞った。防災士の資格を持ち、ベンチ設置を提案した竹中保雄部会長(70)は「いざというときは炊き出しの拠点になる」と話した。
一方、香美町では、余部小体育館(同町香住区余部)など3カ所で、新型コロナウイルスの感染に配慮した避難所の運営訓練を実施。入り口で防護服に身を包んだ町職員が避難者の健康状態などを確認し、パーティションで感染者と非感染者を区切った滞在スペースに誘導した。
避難者として参加した同町の男性(69)は「避難所で感染者をどのように隔離するかが分かって参考になった」と話した。