豊岡の2特別支援学校統合検討会 県教委「新たな地での整備が必要」 中核的な学校新設へ
2022/09/06 05:30
兵庫県庁3号館=神戸市中央区下山手通5
兵庫県教育委員会は5日、豊岡聴覚特別支援学校(同県豊岡市三坂町)と出石特別支援学校(同市出石町)の統合について「新たな適地での整備検討が必要」との見解を示した。いずれかに統合させる場合、大規模改修時に今の教育活動を継続する上で課題が残るほか、所定の校舎面積の確保が難しいため。但馬地域の特別支援教育の中核機能を担う学校が新設される見通しとなった。
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【写真】豊岡聴覚特別支援学校
【地図】豊岡聴覚特別支援学校と出石特別支援学校
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両校の統合を巡っては、県教委が今年5月から、学校関係者や保護者、有識者らを交えて「新しい学校像検討会議」を開いている。この日は3回目の会合で、施設や設備整備をテーマに、豊岡市内で開かれた。
県教委は前回までの議論などを踏まえ、両校を増改築した場合のシミュレーションを提示。その上で「聴覚部門の高等部設置や寄宿舎存続などの要望を受け入れ、教育の充実を図るには、新たな適地で学校整備の検討が必要」とした。
委員からは「地域社会との共生や医療面の安心感、交通アクセスなどを考慮して」「但馬は広く、スクールバスの運用は現状でも厳しい。統合後も安全に運行できるよう台数を増やして」などの意見が出た。
この後、県教委からは統合までのスケジュールについて「適地が決まってから、設計や工事を含めて4年程度はかかる」との見通しを示した。
同会議は10月に会合を開いて、「新しい学校像」の提言をまとめる予定。(桑名良典、丸山桃奈)