夏イチゴを栽培する兵庫県香美町村岡区口大谷の「香美苺(かみいちご)ハウス」で、甘みが強く、ジューシーな新品種「ペチカほのか」のイチゴ狩りが始まった。昨年まで別の品種を洋菓子店に出荷してきたが、今年から観光客向けのイチゴ狩りをメインに展開するという。11月ごろまで。(長谷部崇)
同区中大谷のスカイバレイスキー場を運営する「ユースランド」が、約10年前からオフシーズンの事業として、標高約400メートルの高原で夏イチゴを栽培。ビニールハウス7棟を設け、腰ほどの高さの「高設栽培」で育てている。
イチゴの生産は25度が適温とされ、西日本で夏イチゴを栽培するのは難しいが、気温や天候に応じてハウスの天井を自動開閉するなどして管理している。
昨年までは、果肉の色が鮮やかな赤で、加工に適した「赤い妖精」を栽培し、洋菓子店を中心に出荷してきたが、今年から北海道の企業が開発した新品種の「ペチカほのか」を導入。糖度が高くてみずみずしく、生で食べるのに適していてイチゴ狩りにぴったりという。
大手百貨店にも出荷しており、今岡秀毅社長(67)は「インバウンド(訪日客)も含め、夏の但馬観光の一つの目玉に育てたい。温泉旅行などの帰りに寄ってみて」と呼びかける。友人とイチゴ狩りに訪れた神戸市北区の看護師平尾悦子さん(59)は「湯村温泉(新温泉町湯)の旅館で食べたこちらのイチゴの甘さに感動して、イチゴ狩りのことを教えてもらった。家に帰ったらかぶりつきます」と話した。
イチゴ狩りは午前9時~午後3時。要予約。3歳以上1500円、小学生以上2200円。トレー1杯分(約300グラム)摘み取ることができ、300グラムを超える場合は1グラム10円の追加料金が必要。ホームページは「kamiichigo.com」で検索。
今岡社長TEL090・1441・1362