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かつて対人恐怖症に苦しみ、克服したという井上一休さん。「人は何歳からでも変われる」と力を込める=丹波篠山市東吹
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かつて対人恐怖症に苦しみ、克服したという井上一休さん。「人は何歳からでも変われる」と力を込める=丹波篠山市東吹
引きこもり当事者や家族の支援を続ける井上一休さん(右)と渡辺聖史さん=丹波篠山市東吹
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引きこもり当事者や家族の支援を続ける井上一休さん(右)と渡辺聖史さん=丹波篠山市東吹

 神奈川県川崎市で引きこもり傾向だった男が児童らを殺傷し、自殺した事件などを受け、兵庫県丹波篠山市で引きこもりや不登校の当事者、家族を支援するNPO法人結が「今回の事件を引きこもり問題ではなく、孤立者を生み出す現代社会の問題として皆さんに受け止めてもらいたい」などとするメッセージを出した。代表の井上一休(本名・正典)さん(76)=同市=に思いを聞いた。

 川崎市の事件に続き、元農林水産事務次官が引きこもりがちだった息子を刺したとして逮捕された事件が起きた。引きこもり問題が改めて注目を集める中、井上さんは「利用者に動揺が広がっている。家族からも問い合わせや相談件数が急に増えている」と明かす。

 「引きこもりは悪だというイメージが広がっている」「引きこもりとますます言いづらくなる」「報道を見ていると、しんどくなる」といった声が寄せられているという。

 両事件の報道を巡っては、引きこもりの当事者や家族会が、犯罪と引きこもりを結びつけるような報道は誤解や偏見を広げる恐れがあるとして、相次いで声明文を発表した。井上さんも、当事者を一様に「犯罪者予備軍」のように見る風潮を憂慮。「孤立をさせてしまっている社会のあり方に、どこかおかしなところがあるということを理解してほしい」と訴える。

 ブログ「丹波篠山心の居場所」で公表したメッセージでは、孤立によって自己否定やいらだちを増幅させ、家族や社会に向け感情を爆発させるという事態が起きているとし、「今の(社会の)理解と支援体制のままでは止められない危機感がある」とつづった。

 井上さんは、現代社会に「息苦しさ」を強く感じているといい「物事を○か×かで極端に分け、いろいろな考え方や価値観を認めない世の中。これではありのままの自分を出せない」と指摘する。

 井上さんと共に活動する相談員の渡辺聖史さん(34)=丹波篠山市=は、かつて自身も引きこもりだった経験を踏まえ「引きこもりは複合的な要因が絡んでいるので理解が難しいが、決して怠けや甘えではない。本人はすごく苦しんでいる」と話す。当事者に向けては「まずは人とつながることが大事。人との出会いの中で自分が分かり、変えていける」と呼び掛ける。

 NPO法人結は、県の「兵庫ひきこもり相談支援センター」丹波ブランチを運営している。同市東吹の「遊び村」内で、当事者や家族が自由に話し、くつろげる「居場所」を設けているほか、屋外約1500坪に、約50種類の手作り遊具を置いている。30代を中心に、小学生から50代まで1カ月に延べ約300人が利用している。相談料無料。(藤森恵一郎)

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