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健康教室への参加を呼び掛けるチラシ=丹波市健康センターミルネ
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 兵庫県丹波市と神戸大はこのほど、認知症予防に関する研究の連携協定を結んだ。認知症リスクの高い市内の高齢者200人に、健康教室を定期的に受けてもらい、1年半後、認知機能の低下が抑えられたかを調べる。全国4カ所で同時に行われる国内初の研究。同大は「頭と体の健康を維持するための新しいプログラムを提供する。一人でも多くの参加を」と呼び掛けている。(藤森恵一郎)

■週1回90分

 研究ではまず、参加者を前半と後半のグループに分ける。前半グループは10月中旬から週1回90分、市健康センターミルネ(同市氷上町石生)で健康教室を受講する。半年ごとに身体機能や栄養状態、頭の働きなどの健康チェックを受け、2022年3月に終了し、効果を検証する予定。教室の他に、自宅でiPad(アイパッド)を使った脳トレにも取り組む。後半グループは前半終了後から23年秋まで受講する予定だ。

 教室の主な内容は、筋力・持久力トレーニング、踏み台昇降をしながらしりとりをする「二重課題運動」、生活習慣管理に必要な情報提供などとなっている。同大独自の認知症予防プログラム「コグニケア」を取り入れており、講師は同大の教員や大学院生が務める。

■国内初

 研究は、経済産業省が補助する日本医療研究開発機構(AMED)の事業の一環で、東京都、神奈川県、愛知県でも行われる。AMEDから委託を受けた国立長寿医療研究センター(愛知県)が中心となり、神戸大など各地の医療機関が協力して進める。

 認知症予防の研究の現状について、同大大学院保健学研究科の古和久朋教授は「薬の臨床研究は非常に難渋している。もの忘れが発症してからでは、なかなか元に戻すことができない」と説明する。

 そこで、薬によらない予防法の確立が求められている。海外では、フィンランドで行われた「フィンガー研究」で、高齢者に運動、栄養、生活習慣などの指導をした結果、認知機能改善の傾向が見られたという結果が出ている。日本では、こうした複合的な要素による予防効果を検証するのは初めてとなる。

■「田舎代表」

 今回、東京や神奈川、愛知といった大都市圏に加え、なぜ丹波市が研究拠点に選ばれたのか。

 一つには、同市では既に、神戸大が高齢者を対象に認知症予防事業を展開しており、研究の土壌が整っていることがある。

 認知症予防の研究や教育に全学的に力を入れる同大は18年、神戸市内で高齢者を対象に予防事業を始めた。このことを知った、県立丹波医療センター(同市氷上町石生)の秋田穂束院長が「ぜひ丹波も田舎を代表し参加したい」と熱望したのだった。

 また、同市が昨年7月に運用を始めた、医療介護情報連携システム「ちーたんネット」の存在もある。病院や診療所、薬局、歯科医院などが、患者の薬剤情報などを一元管理する新しい仕組みで、国からも注目されているという。

 こうした背景があり、同大は経産省などに同市を拠点に含めるよう要望した。古和教授は「都会だけの研究では、認知症予防は田舎ではできないという間違ったメッセージを出しかねない。その点を強調して伝えた」と話す。

 全国4拠点の参加者約千人の情報は、東京医科歯科大学に集約されて解析される。神戸大も独自に情報を分析する。同市での研究結果は、都市部の高齢者と比べて生活習慣などにどのような違いがあるかを知る上でも貴重な情報となる。

 古和教授は「研究がうまく行けば、丹波市の医療・介護費の削減につながる可能性がある。認知症予防の先駆的なモデル地区としても発信でき、新たなビジネスモデルの創出にもつながるだろう」と期待する。

    ◇

 現在、条件に該当する高齢者を対象に、健康教室の参加者を9月4日まで先着順で募っている。参加無料。市健康課健康増進係TEL0795・88・5750(平日午前8時半~午後5時)

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