江戸時代から篠山に伝わる「お苗菊」などを集めた「第19回菊花展」(神戸新聞社など後援)が、兵庫県丹波篠山市北新町の大手前南駐車場で開かれている。愛好家や小学生らが大切に育てた343鉢が、秋の城下町を鮮やかに彩っている。15日まで。
市と市菊花同好会が主催。お苗菊は1840年ごろに旧篠山藩主が幕府から譲り受けたとされる。篠山周辺でのみ栽培され、現在は「小倉山」「敷島」など21種類が受け継がれている。大菊よりも花は小さいが、花びらが踊るように裏返るのが特徴で、開花後の繊細な変化を楽しめる。
会場には12鉢で一組の「お苗菊花壇」などがずらり。1鉢には7~8本が植わっており、全体的な色と配置、高さなどの工夫が見る人の目を飽きさせない。菊花同好会の井本幾男会長(87)=同市=は「時間がたつごとに裏返る花びらなど、お苗菊ならではの伝統美を味わってほしい」と話していた。
午前9時~午後4時。入場無料。(金 慶順)
