休館中の「ささやま荘」運営候補者が辞退 コロナ禍長期化で 丹波篠山

2021/05/28 05:30

休館している「王地山公園ささやま荘」。篠山城跡に近い桜の名所、王地山に立つ=丹波篠山市河原町

 2019年秋から休館している兵庫県丹波篠山市所有の施設「王地山公園ささやま荘」(同市河原町)の運営候補者に選ばれていたアイスクリーム製造販売会社「丹波篠山食品」(同市糯ケ坪)が、再生・活用事業から撤退したことが27日までに、分かった。新型コロナウイルスの影響が長引き、当初の事業計画の実現が困難と判断した。 関連ニュース JR西のローカル線、兵庫の4路線は「収支率」改善 コロナ禍の影響緩和 一箱5000円のジャガイモも買わざるを得なかった日々 餓死寸前の高齢者も…コロナ禍・ロックダウンされた上海で、日本人主婦が見たものとは 兵庫の業況判断、1ポイント悪化 9月短観 コロナ禍以降では最高水準で推移

 同施設は「国民宿舎ささやま荘」として1963年にオープンした。宿泊施設や浴場、宴会場を備え、2006年に指定管理者制度を導入し運営してきたが、赤字が続き、19年8月末で休館した。市は、民間活用や市の財政負担軽減などの方針をまとめ、経営・運営事業者を公募。20年7月、同社が選ばれた。
 同社は施設改修や運営方法などを市と協議。外国人観光客の取り込みなども狙い、公有民営のスタイルで今秋の再オープンを目指していた。しかし、新型コロナの感染拡大で観光業が打撃を受け、回復の見通しが不透明になったため、正式な賃貸借契約を結ぶ前に辞退を申し出たという。同社の中西幸治社長は「再建案を提出した2019年末とは状況が根底から覆った。ここまでコロナ禍が長期化するとは予想していなかった」と話した。
 市は今後、存廃も含め、改めて施設のあり方を検討する。(堀井正純)

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ