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仲谷さんが営む「たきブックス」。エッセーなど500冊以上が並ぶ=丹波篠山市福井
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仲谷さんが営む「たきブックス」。エッセーなど500冊以上が並ぶ=丹波篠山市福井
舞台の背景を描く仲谷さん(仲谷さん提供)
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舞台の背景を描く仲谷さん(仲谷さん提供)
無肥料・無農薬で育てている黒枝豆。飼っているヤギに草を食べさせて除草する=丹波篠山市
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無肥料・無農薬で育てている黒枝豆。飼っているヤギに草を食べさせて除草する=丹波篠山市
文化クラブでは沖縄三線で沖縄民謡などを演奏する=丹波篠山市福井
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文化クラブでは沖縄三線で沖縄民謡などを演奏する=丹波篠山市福井

 兵庫県丹波篠山市福井に古書店「たきブックス」はある。店主仲谷洋介さん(46)=同市=は、実は「四つの顔を持つ男」だ。古書店の経営の合間に、舞台美術の仕事をこなしながら、農業で汗を流す。今年4月には文化クラブも主宰。「全て今まで自分がやってきたことの延長上。ようやく一つ一つが実になってきた」。バイタリティーあふれる半生をひもとくと…。(綱嶋葉名)

 広島市出身。大阪芸術大学に進み、同大大学院で文芸学を専攻した。

 卒業後、最初に飛び込んだのは舞台美術の世界。芸大受験で培った画力を生かそうと、大衆演劇の裏方の仕事を始めた。

 「演劇は見たことも、興味もなかった」と仲谷さん。だが、舞台美術の職人との出会いが人生を変えた。「絵画とは違い、舞台背景は客席から見たときを意識し、リアルで立体的に描かないといけない。それが難しくも、楽しかった」。舞台美術を請け負う会社で見習いとして働き始めた。

 「何とか飯が食えるようになった」30代。仕事で丹波篠山市の兵庫陶芸美術館に赴き、都市部からのアクセスの良さに加え、ゆったりとした雰囲気に魅了された。

 当時は大阪市在住で、長女の小学校入学前。家族に相談すると、「子育てにはもってこいの環境」と、あっさり受け入れてくれた。移住するなら「農業も」との思いで、未経験ながら特産品の黒枝豆と米の栽培にも挑戦。近所の人に教えを請い、無農薬、無肥料で育てる技術を学んだ。

 農閑期などには、趣味の読書にいそしんだ。エッセーや料理本を好み、蔵書はどんどん増えた。古書店巡りをしていた大学生時代を思い出した。店員と客のやりとり、お目当ての本を探し当てた喜び…。丹波篠山の人にも同じ体験してもらおうと、2019年9月、古書店をオープンした。

 店内には500冊以上の本が所狭しと並ぶ。舞台で使われる踏み台「箱馬」を再利用した本棚には、同市出身の故河合雅雄・隼雄兄弟の著書などもある。

 さらに、今年4月には知人の提案で、沖縄三線(さんしん)と絵画デッサンを扱う文化クラブを立ち上げた。今では、古書店経営、農業、舞台美術などを事業化した株式会社「ナカタニ」社長の肩書を持つ。舞台美術では、演歌歌手や宝塚歌劇団などの舞台背景を手がけるまでに。農業では黒枝豆約4200株を育て、知人が経営する飲食店などに卸している。

 「気づけばこんなことになっていた」と苦笑する中谷さん。「新たな事業計画? わかんないよ。今はこれらの事業を大きくして、丹波篠山の文化・芸術、農業を盛り上げたい」。夢はでっかい。

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