戦没者遺族が平和へ祈り 丹波篠山の追悼式に20人参列

2021/08/17 05:30

戦没者追悼式で黙とうをささげる参列者ら=丹波篠山市沢田

 太平洋戦争などで亡くなった人々を悼む戦没者追悼式が15日、兵庫県丹波篠山市沢田の遺族会館であった。市遺族会の評議員ら約20人が参列し、東京で開かれた全国戦没者追悼式に合わせ、祈りをささげた。 関連ニュース 16歳で鶉野飛行場造成工事に徴用、土を運び続けた日々 丹波篠山の細見さんが厳しい体験語る <戦後80年 牧野さんと歩く明石の戦跡>明石公園 曇天、標的外に降り注ぐ爆弾 特攻隊員の苦悩、演劇で描く 9、10日に鹿児島・知覧で公演

 市遺族会の主催。例年は戦病没者ら約3万2千柱をまつる「遺芳(いほう)殿」で執り行われていたが、今年は改修工事中のため、近くの遺族会館が会場となった。
 集まった参列者らは正午に、ミュージックサイレンで流された君が代に合わせ、黙とう。その後、酒井隆明市長の「遺族の皆さんの祈りが広く世界に届き、平和が実現するよう願います」とするメッセージが読み上げられた。
 市遺族会の粟野敏晴会長(79)は、3歳の時に父親の清さんを亡くした。「遺族も高齢化し、戦禍を伝えるのが難しい時代になった。今の世の中が亡くなった方々の犠牲の上に成り立っていることを伝えていきたい」と話していた。
 同県丹波市は市役所本庁舎と春日庁舎、各支所、市消防本部で半旗を掲揚。正午には防災行政無線で約30秒間サイレンを流し、市民に黙とうと戦没者の追悼を呼び掛けた。
(川村岳也、真鍋 愛)

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