うま味や歯ごたえが売り 枝豆「デカンショ豆」夏の新名物目指す 丹波篠山
2021/08/29 05:30
丹波篠山の新しい夏の名物を目指し、売り出された「デカンショ豆」=丹波篠山市内
夏にもおいしい枝豆を-。兵庫県丹波篠山市の若手農家らが特産化を狙って、生産・販売を始めた「デカンショ豆」が好評だ。コクのあるうま味や甘み、カリッとした歯ごたえなどが売り。コープこうべ(神戸市)や地元の飲食店などに提供したところ「反応は上々」で、今後、仲間を増やし、さらなる生産拡大やブランド化を目指す。(堀井正純)
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丹波黒枝豆は、毎年10月初旬に販売解禁日が設けられているが、一足早い7~8月にも地元産の枝豆を堪能してもらおうと、2018年から検討を始めた。
連携し取り組むのは、丹波篠山市の今田や味間、西紀南地区の農家5軒やJA丹波ささやま、全農、市商工会など。お盆に市内で催される民謡と踊りの祭典「デカンショ祭」の時期に味わえる商品として命名した。
黒豆ではなく、枝豆用の白豆を栽培。「デカンショ豆」として昨年販売を始め、今夏から本格的に売り出した。「丹波たぶち農場」(同市口阪本)の田渕泰久さんらが、さまざまな品種を試し、丹波篠山の土壌や気候に適した「濃姫」「夏風香」「神風香」などに絞り込んできた。「丹波黒」の生産農家らが、その技術を惜しみなく注ぎ育てる。
田渕さんは「鮮度も重要。秋と違って夏場の枝豆は暑さですぐに味が落ちてしまう。品質を保つため、栽培はいまのところ、農産物の冷蔵庫を持っている農家に任せている」と話す。徹底した温度管理で鮮度のキープに努める。
今年は約13トンを生産。8月下旬でシーズンはほぼ終了したが、関係者らは「いま求めているのは収量よりも味や品質。デカンショ豆の栽培や出荷のルールやマニュアルを定め、生産農家や出荷先を増やし、丹波篠山を代表するブランドに育てていきたい」と意気込んでいる。