丹波の日本酒、ダムのトンネルで半年熟成 味わいまろやか、酒造3社が初の試み

2021/10/02 05:30

日本酒を貯蔵したトンネル内で新商品をPRする(左から)西山酒造場の西山周三社長、山名酒造の山名洋一朗社長、鴨庄酒造の荻野弘之専務=丹波市春日町上三井庄

 三宝ダム(兵庫県丹波市春日町上三井庄)の管理トンネル内で約半年間貯蔵した市内3酒造会社の日本酒が9日、発売される。トンネル内は通年15度の低温で一定しており、熟成には最適な環境。3社とも初めての試みながら出来は上々だといい、「新型コロナウイルスの緊急事態宣言も解除されたので、日本酒業界を盛り上げるきっかけになれば。ぜひ自慢の酒を楽しんで」とPRしている。(藤森恵一郎) 関連ニュース ダムのトンネルで初の日本酒蔵入れ 熟成でバランス取れたうま味 丹波 手間暇かけ、長期熟成 本場で認められた尼崎発「番屋惣兵衛」 坑道で熟成、フルーティーに シュトーレン蔵出し 生野銀山


 西山酒造場(同市市島町中竹田)、山名酒造(同市市島町上田)、鴨庄酒造(同市市島町上牧)の3社。丹波県民局から、管理する同トンネル内の環境を生かそうと酒の貯蔵を提案され、3月に計1122リットルを蔵入れした。9月中旬に蔵出しし、「日本酒の日」の10月1日、同トンネル前で新商品を発表した。
 西山の商品は、丹波地域が栽培好適地の酒米「Hyogo Sake 85」を使用した純米大吟醸(1800ミリリットル、4180円)。西山周三社長(48)は「うちはできるだけ貯蔵せずフレッシュな味を大事にしているが、今回はフレッシュさを保ちながら角が取れた味わいに仕上がった」と太鼓判を押す。
 山名も同じ酒米を使用した純米吟醸だが、洋樽(だる)で熟成させたのが特徴。リンゴの蒸留酒カルヴァドス▽ポートワイン▽コニャック-の3種類の洋酒が貯蔵されていたオーク樽を欧州から取り寄せた。「日本酒の味わいが真ん中にありながら、口に入れた瞬間にそれぞれの洋酒の風味がしっかりと感じられる」と山名洋一朗社長(31)。3種類各500ミリリットル、1760円。
 鴨庄は、地元産のコシヒカリを100%使用した純米酒を熟成。荻野弘之専務(53)は「温度が低いのでゆるやかに熟成された印象。フレッシュさを残しつつもまろやかで味がしっかりしている」と紹介する。720ミリリットル、1300円。
 9日午前9時~午後3時、道の駅丹波おばあちゃんの里(同市春日町七日市)で販売するほか、同日から各社や取引のある酒店でも販売する。いずれも数量限定。

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