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修復前の灰屋=丹波篠山市矢代(丹波県民局提供)
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修復前の灰屋=丹波篠山市矢代(丹波県民局提供)
「灰屋」の修復を完了させた「おかの草刈り応援隊」のメンバー=丹波篠山市矢代
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「灰屋」の修復を完了させた「おかの草刈り応援隊」のメンバー=丹波篠山市矢代
こてで壁に土を塗るメンバー=丹波篠山市矢代
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こてで壁に土を塗るメンバー=丹波篠山市矢代

 兵庫県丹波篠山市の昔ながらの農村景観を象徴する小屋「灰屋(はんや)」の修復が完了した。同市岡野地区の住民らが、明治・大正期に造られたとみられる1軒で、7月から作業していた。設計図などの記録は皆無。独学で土作りや壁塗りなどに試行錯誤しながら、往時の姿に近づけた。(藤森恵一郎)

 灰屋は、土壁で囲われた簡素な小屋で「灰小屋(はいごや)」ともいう。同市特産の黒大豆などの農家が、枯れ枝や土を燃やして灰肥料を作っていたが、戦後、化学肥料の普及で使われなくなった。市によると、市内には今も山裾などに240余りの灰屋が残っているが、多くが農業用倉庫などに転用され、灰を作っているのは数軒のみという。

 灰屋の「復活プロジェクト」が持ち上がったのは、昨冬。丹波県民局の「第10期丹波地域ビジョン委員会」のグループ「おかの草刈り応援隊」が、刈り草の有効利用について、神戸大学大学院農学研究科の清水夏樹特命准教授に相談したところ、灰屋の活用を提案された。

 修復を試みたのは、土壁が大きく崩れていた同市矢代の1軒(高さ2・8メートル、幅3・2メートル、奥行き2・4メートル)。月1、2回ほど数人が集まり、作業に汗を流した。同大の学生らも手伝った。

 壁の修復方法が全く分からない中、メンバーたちは独学で取り組んだ。土にわらを混ぜ、ホームセンターで買ってきたプラスチックの枠に流し入れた。1週間ほど乾燥させてブロックに成型。元々の柱に合わせて少しずつ積み上げ、こてで土を塗り込めた。途中、土の重みで壁がゆがむなどトラブルにも見舞われたが、竹を中に通して補強するなど工夫を重ねた。

 同隊代表の谷田又次(ゆうじ)さん(73)=同市=は「どうなることかと思っていたが、なんとか完成して良かった」と、ほっとした様子。呼び掛け人の清水特命准教授は「まさかこんなに早く修復してしまうとは」と驚く。今後は実際に刈り草などを燃やして肥料を作る予定。

 灰屋で作る灰肥料は、2月に日本農業遺産に認定された「丹波篠山の黒大豆栽培」でも、森林資源を生かした地域循環システムとして重要な要素となっている。灰屋の調査・研究に力を入れている市も、市民による修復作業に注目しており、「一つのモデル事業としてクローズアップしたい」としている。

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