国産ナチュラルチーズ「蔵熟成ゴーダ」初出品で最優秀に 「世界一のチーズ」へ試行錯誤 丹波チーズ工房
2021/12/27 05:30
牧草から自分で作り、手塩にかけて飼育するジャージー牛と婦木敬介さん=丹波市春日町野村
全国のチーズ工房が国産ナチュラルチーズの出来栄えを競うコンテストで、丹波婦木農場の「丹波チーズ工房」(兵庫県丹波市春日町野村)が作る「蔵熟成ゴーダ」が最優秀賞に選ばれた。初出品での快挙に、製造する婦木敬介さん(29)は「自信はあったが、確信はなかったのでよかった」と笑顔だ。(谷口夏乃)
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コンテストは2年ごとに催される「第13回オールジャパン・ナチュラルチーズコンテスト」。今回は96の工房から、過去最多の224作品がエントリーした。フレッシュ、ハードなど12部門から、さらに23のカテゴリーに分けられ外観、色調、組織、風味の4項目が総合的に審査される。「丹波チーズ工房」は、ハード熟成6カ月以上部門に応募した。
同工房のチーズは、自家製の牧草作りや毎日朝晩の乳搾りなど、婦木さんが丹念に飼育したジャージー牛10頭から搾った生乳が原料。自家培養した乳酸菌を使うことで、品質の安定につながるという。
「熟成期間にも、おいしさの秘密があるんです」と婦木さん。一般的なゴーダチーズは3カ月から半年の熟成を経て出荷されるが、「蔵熟成-」は1年以上をかける。その間、毎日表面を磨き、有害な菌からチーズを守る。婦木さんは「時間をかける分、味わいが濃く、香りもとてもよくなる。ぜひそのまま召し上がってください」と、太鼓判を押す。
農家に生まれ、幼少期から農業志望だった婦木さんは、静岡や北海道の農家で研修を受けた。北海道の研修先が経営する「さらべつチーズ工房」(北海道更別村)で、以前から興味があったチーズ作りを学び、2016年から製造を始めた。
婦木さんは自身のチーズについて「発展途上」とする。「どうせ作るなら日本一じゃなく、世界一のチーズを作れ」という師匠の励ましの言葉を胸に試行錯誤中という。「丹波という地域から、どこにも負けない商品を作り、この地でしかできない農業を守っていきたい」と、力を込める。
100グラム1200円ほか。在庫状況は「丹波婦木農場 Webショップ」で随時掲載。丹波婦木農場TEL0795・74・0820