独特の冬景色「枯蓮」 無数のハスうなだれ水面覆う、無常の世界 篠山城跡
2022/01/13 05:30
枯れハスが水面を埋める篠山城跡の南堀=丹波篠山市北新町
「枯蓮(かれはす)」や「枯はちす」「蓮の骨」は寒風の吹く冬の季語。国史跡・篠山城跡(兵庫県丹波篠山市北新町)の南堀でも、無数のハスがうなだれ、水面を覆う。雪の朝には寒々とした冬景色が広がる。
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堀のハス群は、外来種のカメによる食害のためか、2005年ごろに消滅したものの、篠山小児童らの取り組みが実って19年夏に復活し、市民らを喜ばせた。
花の季節と異なり、茎や実が朽ちた冬のハスの数々は無残ともいえる姿。無数の折れた矢や刀が残された、中世の戦場を連想させもする。そこに移ろう時のはかなさ、無常の世界があり、独特の風情が漂う。葉や茎が形づくる複雑な光と影に、抽象美を見つける人もいるかもしれない。
「枯蓮」といえば、俳人・長谷川櫂(かい)さんに壮大でファンタジックな句がある。〈蓮枯れて龍の眠れるところかな〉。さて南堀の底には何が眠っているだろう?(堀井正純)