ビギナー登山(1)「五台山」 絶景の六甲連山を遠望 シャクナゲの群生地も
2022/05/08 05:30
展望台から望む氷上町方面=丹波市、五台山
神戸新聞丹波総局に昨年10月に着任して、初心者ながら取材で3度山に登った。ただ、本腰を入れた登山は未経験。新緑がまぶしい季節を迎えた。これを機に、初心者でも挑戦しやすい兵庫・丹波地域の登山スポットを巡った。(谷口夏乃)
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「天気が良ければ、六甲連山まで見えますよ。眺望は抜群です」。同県丹波市在住の登山ガイド中辻郁美さん(39)が提案してくれた。
中辻さんは全国1500以上の滝を巡り、山の魅力に引き込まれた登山歴約20年のベテラン。そんな中辻さんに同行を頼み、4月下旬、丹波市の氷上・市島町境にそびえる五台山(標高655メートル)を目指した。
集合場所はモミジの名所として知られる古刹(こさつ)・岩瀧寺。「最初は渓谷沿い、終盤は尾根伝いに頂上に向かいます」。スタートしてまず目に飛び込んできたのは独鈷(どっこ)の滝。流れ落ちる水音が心地いい。沢沿いは岩が多く、設置された鎖やはしご、ロープを使って進んだ。その後の登山道は比較的歩きやすい。
中辻さんは道々にある植物を紹介してくれた。野イチゴ、クロモジ、ミヤマカタバミ…。名前を聞いたことはあっても、どれも初めて見るものばかり。名前の由来などにも詳しく、緊急時に使える「ツバキの葉笛」の方法も教えてくれた。
出発から約1時間半。山頂に足を踏み入れると、新緑のモミジが出迎えてくれた。展望台に立つと、山並みのかなたに六甲連山があった。まさに絶景。
「もう少し歩くと、シャクナゲの群生地もありますよ」。中辻さんの案内で山頂から10分弱歩くと、五台山と連なる小野寺山の山頂までの道中に群生していた。「花木の女王」と称され、濃淡が異なるピンク色のシャクナゲはまだ四分咲き。中辻さんによると、ゴールデンウイーク明けも楽しめるという。
【メモ】岩瀧寺は、北近畿豊岡自動車道氷上インターチェンジから北へ約10分。駐車場あり。公共交通機関を利用する場合、JR福知山線石生駅から佐治行きバスに乗り「香良口」下車、徒歩約15分。市観光協会氷上PA観光案内所TEL0795・82・9123