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高い集中力で碁盤に向かう柳川忠司さん。御年101歳=野上野交流施設
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高い集中力で碁盤に向かう柳川忠司さん。御年101歳=野上野交流施設

 囲碁に情熱を注ぎ続ける驚異の101歳が兵庫県丹波市にいる。製菓会社「やながわ」(同市春日町野上野)で会長を務める柳川忠司さん。今も毎週欠かさず地元の囲碁同好会に参加する。その壮健ぶりにあやかろうと、柳川さんの名前を冠した「第1回柳川杯囲碁大会」が開催された。あふれる活力は、多くの囲碁愛好家らに刺激を与えている。(那谷享平)

 碁を打ち始めると、ものすごい集中力を発揮。吸い込まれるように碁盤を見つめ、すすっと迷いなく石を置いていく。「他のことは全て忘れて、周りの音も聞こえなくなる。熱中せんと実力は出ませんからね」。背筋の伸びた姿勢でとうとうと語る。

 1921(大正10)年1月生まれ。父が趣味にしていた影響で、15歳の頃から始めた。戦時中やその後の家業に忙しい時期をのぞいても、約60年は親しんでいるという。

 新聞の詰め碁で5段の認定を受けた実力の持ち主。現在も週に2回程度は同好会などに参加する。出場する大会では時に優勝をさらい、時に小学生に苦杯をなめる。「上位に入ると気分が良いし、負けたらえらく悔しいですね。『ああ、あの一手なければ…』と思う」

 仕事や他の趣味も精力的にこなす。会社で経理を任され、毎日、出納帳や売掛帳などを手書きで付ける。日々の楽しみは妻の幸代さん(95)の作る肉料理。最近、病院の看護師から「実年齢より20歳は若い」と驚かれた。よく周囲に長寿の秘訣(ひけつ)を聞かれ、いつも答えに困るらしい。

 そんな柳川さんについて、春日囲碁同好会で代表を務める岡田邦夫代表(76)は「普通、碁の実力は85歳くらいから衰えるが、柳川さんは強くなっている」と話す。同会は「元気と前向きに生きる力を多くの人に分けてもらいたい」と、柳川さんの名前を冠した大会を初めて主催した。

 同市春日町野上野の野上野交流施設で5日に行われた大会には、愛好家66人が出場した。柳川さんの友人の谷崎止(とどむ)さん(90)は「柳川さんに誘われて70歳で囲碁を始めた。頭を使うから年取ったもんに良いですわ」と充実の表情。大前静子さん(84)は「パワーをもらおうと(柳川さんに)握手してもらいました。1勝できました」と楽しげだった。

 当の柳川さんは出場を固辞し、会場で対局を見守るにとどめた。大会を後援する立場だからという。

 「いろいろ雑用がありますからね。打っても気分が乗りません。他にやることがあるとミスが多くなり、実力を出し切れない。私は今日は打ちません」。きっぱりとした口調に、若々しい情熱や負けん気がみなぎっていた。

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