夏休み明けの感染増加懸念 「第7波」傾向や医療体制は 丹波健康福祉事務所所長に聞く

2022/08/25 05:30

基本的な感染対策を呼びかける丹波健康福祉事務所長=丹波市柏原町柏原

 新型コロナウイルスの流行「第7波」で、丹波地域(兵庫県丹波篠山市、丹波市)でも感染が急拡大した。24日には1日当たりで過去最多315人の感染が確認された。流行の傾向や医療体制の現状について、丹波健康福祉事務所の須藤章所長(47)に聞いた。(聞き手・那谷享平) 関連ニュース コロナワクチンのデータ公開要求 トランプ氏、CDC混乱で 新型コロナ、10週連続で増加 ニンバス流行、のどに強い痛み コロナ感染者、9週連続増 1医療機関当たり6・30人

 -第7波の傾向は。
 「世代別では、10~40代が多い。国の新型コロナウイルス感染対策アドバイザリーボードの発表と照らしても、子どものいる家庭内感染が多いと考えられる。夏休みが明けて学校が再開し、さらなる増加を懸念している」
 「ただ、この世代は死亡率や重症化率は非常に低い。自宅療養になる可能性が高いので、あらかじめ日用品や食品の備蓄といった備えをしておいてほしい」
 -現状の医療の体制は。
 「新たな波ごとに重症化率、死亡率は下がっている。治療に関する知見が蓄積され、第1波の頃には助からなかったような症状の人でも助かるようになっている。一方で感染者の増加に伴い、自宅療養者の割合が増えている。その中で大切なのは、自宅療養者の中で本当に治療が必要な人を取りこぼさないこと。医療機関と連携し、自宅療養者の様子をフォローするようにしている」
 -課題は。
 「高齢者の感染対策だ。丹波地域では、第7波によって10件のクラスター(感染者集団)が発生した。死者数や重症者数を減らす上で重要なのは、高齢者施設でのクラスターを抑えること。管内の施設とは、初期治療や感染拡大防止のノウハウについて情報共有を進めている」
 -感染を防ぐため、日々の生活でどんなことに気を付ければよいか。
 「基本的な対策の徹底。マスクをきちんと着け、手を消毒し、換気をしっかりしてください。適切な対策をしていれば、ある程度は予防できる。新型コロナは発病2日前から他人にうつす可能性がある。新型コロナかどうか分からなくても、かぜの症状があれば集団に身を置くのは避けてほしい」
【兵庫のコロナ情報】←最新のコロナニュースはこちら

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ