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天竺渡海道中記の解読本と刊行会のメンバー。中央が代表の歌井昭夫さん=高砂市曽根町
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天竺渡海道中記の解読本と刊行会のメンバー。中央が代表の歌井昭夫さん=高砂市曽根町

 古文書を研究する高砂市民ら有志が、江戸時代にタイへ渡航した高砂出身の商人、天竺徳兵衛の見聞録の写本を解読して活字に起こし、冊子にまとめた。見聞録は「天竺渡海道中記」。編集を進める中で、高砂市内に写本が計3冊現存することも判明。メンバーは「あまり知られていない徳兵衛の実像を広める機会になれば」と期待する。(小尾絵生)

 徳兵衛は1626年、15歳の時、朱印船に書記係として乗り込み、中国やベトナムなどを経てシャム(現在のタイ)に渡った。晩年の1700年ごろに見聞録を残すと、さまざまな人の手で書き写された。歌舞伎では妖術使いとして登場し、人物像を脚色して描かれている。

 解読の基になった写本は7、8年前、同市内の民家で見つかった。古文書研究グループ「高砂古文書の会」が大筋を解読し、文化講座などで成果を発表。本の発行を望む声に押され、会のメンバーが「天竺渡海道中記」刊行会をつくり、冊子に編さんした。

 道中記には、シャムの暮らしぶりなどが記され、コメが年3回取れることや、ウリやナスは大根のように大きいことなどがつづられている。川で寝ているワニを捕まえる描写もあるほか、現地での物の数え方を「一ツをこんか」「二ツをとんす」などと表現している。

 冊子には写本の原文写真を載せ、崩し文字を活字に直して言葉の意味を注釈で補足した。徳兵衛の菩提寺、善立寺(同市高砂町横町)との関わりや、歌舞伎などの芸能分野に登場する徳兵衛についても解説した。

 編集の最中には、高砂市立図書館と善立寺で、内容が似通った別の写本が確認された。代表の歌井昭夫さん(69)=同市北浜町西浜=は「鎖国中の日本で貴重な異国情報は面白がられたはずで、写本は多いようだ。ゆかりの高砂で確認されたのは意義深い」と話す。

 冊子はA5判、105ページ。市立図書館や公民館などで閲覧できるほか、高砂町北本町の茶・茶道具販売店宇治園(TEL079・443・4581)で販売している。800円。

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