東播

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まきをくべながら窯の番をする長谷川弘樹さん=高砂市神爪
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まきをくべながら窯の番をする長谷川弘樹さん=高砂市神爪
祖父から引き継いだ窯で焼き上げた作品=高砂市神爪
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祖父から引き継いだ窯で焼き上げた作品=高砂市神爪

 陶芸家長谷川弘樹さん(40)=兵庫県高砂市神爪=が、2013年に亡くなった祖父肇さんから継いだ穴窯に、肇さんの死後初めて火入れをし、作品約250点を焼き上げた。肇さんは昔ながらの穴窯での作品作りを愛し、死の2日前には「窯をたけよ」と言い残したという。額に汗を浮かべながら窯の番をした弘樹さんは「ようやく遺言を果たせた」とほっとした表情を浮かべた。(小尾絵生、小森有喜)

 肇さんは40代で「宝殿焼柿の木窯」を開いた。穴窯は1974年に、肇さんと妻の良栄さん(85)=同=が自宅兼工房の裏に築いた。れんがをアーチ状に積み上げ、土で塗り固めており、高さ約1・3メートル、奥行き約4メートル。阪神・淡路大震災では天井が崩壊するなどしたが、補修をしながら大切に使ってきたという。

 窯で作品を焼く際には入り口にまきをくべて火を燃やし、中に並べた作品に火を送っていく。温度を徐々に上げ、1200度程度に保つ必要があり、昼夜を問わず火の番が必要。近年は周辺に住宅が建ち、火の扱いに一層注意が必要になったことや、電気窯が主流になっていることもあり、穴窯の火入れになかなか手が着かなかったという。

 弘樹さんは祖父を追うように陶芸家となり、自身が穴窯を使うのは5、6年ぶり。「長い間窯をたいておらず、遺言が気になっていた」といい、作品がたまってきた段階で火入れを決心。弘樹さんが主宰する教室の生徒の作品も合わせて窯詰めし、3月27~28日に火を入れた。

 窯を開けたのは4月8日。弘樹さんは「昔は焼き方が下手で窯の作品を全て台無しにして(肇さんに)怒られたこともあった」と、思い出を振り返りながら、皿やぐいのみ、一輪挿しなどを約5時間かけて運び出した。灰の付き方、火の当たり方で、さまざまな色合いや質感に仕上がった作品を前に、「いい具合に焼けた。おじいさんの助言を生かせた」と頰を緩めた。

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