東播

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「私もいか焼き買うわ」「無理せんでもええで」。おっちゃんはぶっきらぼうだけど、温かい
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「私もいか焼き買うわ」「無理せんでもええで」。おっちゃんはぶっきらぼうだけど、温かい
ジャンボソースせんべい=加古川市野口町野口、すごろく
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ジャンボソースせんべい=加古川市野口町野口、すごろく
神戸新聞NEXT
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 店の名物は1枚90円の「いか焼き」。溶いた小麦粉にイカの足を入れて焼き、自家製ブレンドソースを掛ける。熱々のシンプルな味が、育ち盛りの心をわしづかみにする。

 卵を一つ落とした「高級版」いか焼き(180円)を頼んだ。ぴりっと辛く、ビールが欲しくなったが、隣にある小学校は授業中。ラムネ(90円)にしよう。

 「たこ焼きは難しそうやから、いか焼きを始めたんや」。店主の田中正彦さん(66)が豪快に笑った。

 エプロン姿で頭には手ぬぐいと、一見して日曜大工をするサラリーマン。「靴メーカーの営業マンをしていたからな」

 定年後の生きがいにと、2010年に駄菓子屋を始めた。「子どもの言うことはよく分からん。『お菓子が欲しいから、百円玉を両替して』と言う子がいた。ちゃんとお釣りをもらえるのに、何でや」。戸惑うことの多い“おっちゃん”は、現代っ子に大人気だ。

 放課後の午後3~4時、店は戦場に変わる。14坪の敷地に40人もの子どもたちが押し寄せ、店内はすし詰め状態。「おっちゃん、いか焼きちょうだい」「くじが当たった!」

 こんなににぎわっているのに「もうからへん。例えばラムネ。月に30本売れても、冷蔵庫の電気代の方が高いねん」。

 退職金を充てたという店舗の建設費を回収できる日は遠そうだが、気にする様子はない。「恋の話を打ち明ける子もいれば、『駄菓子屋を継ぐ』と宣言する子もいる。一人一人の個性が豊かで飽きへん」と柔らかな笑顔を浮かべた。

 店の壁や冷蔵庫には、子どもたちが貼った小さなシールがびっしり。「汚いから」とはがしたら、常連ちゃんに怒られたという。創業8年でも、子どもたちにとっては思い出を刻んだ立派な老舗。「『警察官になる』と話していた子が、夢をかなえて訪ねてきたことがある。そういうのが、うれしいなぁ」(本田純一)

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 いか焼きもいいけど、ジャンボソースせんべい(50円)が安くてお薦め。食べながら、友だちと店の前で30分くらいおしゃべりするねん。ラムネは1人で飲みきれへんから、みんなで回し飲み。ちゃんと、弟のお菓子も買って帰るで。

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