東播

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休日には、昔の常連さんが子連れで訪れる。「うれしいね。元気なうちは店にいてたいね」と児嶋次郎さん(右)
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休日には、昔の常連さんが子連れで訪れる。「うれしいね。元気なうちは店にいてたいね」と児嶋次郎さん(右)
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 「新幹線の近くに、駄菓子屋があるで」

 街中で子どもたちに教えてもらい、地図を手に店を探し歩いた。インターネットの情報だけでは、駄菓子屋は見つからない。

 山陽新幹線の高架沿いにあったのは、平屋の店。体操服姿の女の子が息せき切って入っていった。

 後について店内をのぞくと「いらっしゃい」と大きな声。女の子はお目当ての菓子を見つけ、カウンターに置いたが、あれ、4円足りない。「いいよ、おっちゃんが出しとくわ」「今度持ってきます」。飾らないやりとりに、心が和んだ。

 店主の児嶋次郎さん(84)。大きな口がにかっとすると、顔全体が笑顔になる。小さな子にも声を掛けて迎える児嶋さんに、「いらっしゃいました!」とおどける子も。「昔の子どもははにかみ屋さんやったけど、今の子は気安くしゃべってくれるわ」

 兵庫県加古川市平岡町出身で、戦時中に少年時代を過ごした。「菓子やパンを売っていたのは八百屋。大人も子どもも通う『便利屋さん』やったんや。都会には駄菓子屋があったかもしれんけど」。お菓子は楽しみというより、空腹を満たしてくれるものだった。

 国鉄を早期退職し、1989年にたばこ店を開いた。一帯は、田んぼが宅地に変わり始めたころで、店の数はわずか。地域住民に請われるまま、公衆電話や自動販売機を置き、菓子も売るようになった。「近所の子には駄菓子屋と言われるけど、私からしたら、何でも屋さんやね」。店はいつしか、あの八百屋のように、地域に欠かせない存在になった。

 店の一角には、ノートや消しゴムなどの文房具がある。登校前、慌てて買いに来る子がいるため、朝7時にはきちんと店を開ける。「休みの日も来たい」との声にも応え、日曜も営業するようになり、今やほとんど無休だ。

 何でも屋さんは、きょうも、にかっと子どもたちを迎えている。(広岡磨璃)

【わたしの遊び方】うえぽん(10)

 ここに来たら100パーセント買うのは、こんにゃくゼリー(10円)。安いのにおいしいから。習字に通ってたときは、半紙をここで買えて助かったなあ。今から友達と3人で、すっぱいスプレー(60円)で、酸っぱいの我慢比べ大会や!

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