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「子育てしやすい町」を掲げる播磨町。若い世代を呼び込み続けられるかが人口維持のカギ=播磨町東本荘1、町立図書館
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「子育てしやすい町」を掲げる播磨町。若い世代を呼び込み続けられるかが人口維持のカギ=播磨町東本荘1、町立図書館
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 任期満了に伴う兵庫県播磨町長選と、町議補欠選(欠員1)が19日に告示、24日に投開票される。9平方キロメートルと県内最小面積に、住宅がひしめく町。選挙戦を前に、町の現状や将来像をリポートする。(広岡磨璃)

■人口維持の行方

 「2060年に人口3万人」。2015年に策定した人口ビジョンで、町が掲げた目標だ。現在の約3万4千人より減少するが、国立社会保障・人口問題研究所による将来推計約2万人より1万人も多い。町は「将来も合併することなく存続するために、3万人規模が適正」とし、合計特殊出生率を「2・4」としてはじき出した。

 町は子育て支援を「最重要施策」と位置づけ、近隣市町に先駆け、中学校給食や教室へのエアコン整備を進めてきた。町域の小ささを「スケールメリット」と捉え、豊かな町税や行政効率の良さも施策の後ろ盾となった。宅地化が進行し、子育て世帯が流入。15年の合計特殊出生率は1・66。10年で県内最低クラスの1・07から大きく上昇させたが、3万人を維持するために必要な「2・4」とはかけ離れている。

 直近の指標が、町担当者の顔を曇らせる。婚姻数や出生数が2015年度から右肩下がりで、20~39歳の女性人口も減少傾向。大規模な宅地開発が一服し、子育て世帯の流入が停滞したことが一因とみられる。

 町と労働者団体との会合では「住みたいが土地がなく、地価が高い」との声が上がり、町側も宅地開発のあり方を人口維持の課題ととらえる。

■高齢化、地域間に差

 1962年の町制施行時には約9千人だった町は、70~80年の10年で倍増するなど、急激にその姿を変えた。町内には古くからの集落と新たな住民が混在している。町全体の高齢化率は26・7%(5月末現在)と県平均を下回るが、地区別では最大34%に上り、町内の開きは大きい。

 33・6%と町平均を上回る本荘地区。本荘西自治会の梅谷初一会長(66)は「独居高齢者が世帯数の1割を超え、災害時の安否確認などに不安がある」。秋祭りや消防団など、地域内の担い手不足も悩みの種だ。

 同地区には高齢化に伴い、空き家や空き地が点在するが、前を通る道が車が入れないほど狭く、たなざらしの物件も少なくない。町内には幅4メートル以下の「狭隘道路」が多く、防災などの観点から長年の懸案となっている。

■民間誘致で不調続く

 町ではここ数年、民間事業者の参入がうまくいかない。住民アンケートでニーズの高い路線バス。町が運行を目指すコミュニティーバスは16~17年度、4回にわたり事業者を募集したが、コスト面などで条件が折り合わず実証運行に至らなかった。当面の代替策を18年度中に策定する。

 また、民間から保育所の誘致を図るが、募集に対し2年連続で事業者側が辞退。ある関係者は「立地条件が良く広さのある土地は限られてくる」と話す。

 待機児童は4月1日時点で2人だが、申込者から利用者を差し引いた「隠れ待機児童」は32人。今後、国が打ち出した幼保無償化で入園希望者が増加するとみられ、町側は「事業者を待つだけでなく、行政として方策を講じたい」と話す。民間の人手不足を背景に、高齢者や障害者らの施設誘致も困難だ。ある町議は「町内に複数の事業所があれば、人手やコストのやりくりができる。播磨町の小ささではそれが難しい」と指摘する。

 町の小ささが、利点にも欠点にもなる。限られた町域と財源の中で、住民の住みやすさをいかに高めるか。19日に告示される選挙で立候補者が示す公約、将来ビジョンを見詰めたい。

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