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鈴木径一郎大阪大特任助教(右)の指導を受け、台本の読み合わせをする子どもたち=高砂市高砂町松波町
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鈴木径一郎大阪大特任助教(右)の指導を受け、台本の読み合わせをする子どもたち=高砂市高砂町松波町

 58歳で若年性認知症になった兵庫県高砂市の男性と家族の歩みが演劇で表現されることになり、地元の子どもたちが上演に向けて稽古に励んでいる。男性は同市内ですし店を営んできたが、症状が進んだためにやむなく閉店。その後も家族に支えられながら、同じ認知症の当事者や地域の人らと積極的に触れ合ってきた。できないことが増えても内向きにならず、周囲とのつながりを通じて力を得る様子を描く。(大久保斉)

 認知症の啓発劇「おく田ずしものがたり」。同市の元すし店主奥田佐太郎さん(68)、京子さん(64)夫妻の軌跡を描く。佐太郎さんは2010年に認知症と診断された。趣味のツーリングバイクで道に迷い、本業の料理でもミスを重ねる兆候があった。

 劇では、佐太郎さんの不調や病院での診察を経て、店の営業を少しずつ縮小していく経緯を描写。発症から5年目に、「加古川認知症の人と家族、サポーターの会(加古川元気会)」の例会に呼ばれ、参加者の目の前でタイをさばき、握りずしにして振る舞うシーンがクライマックスだ。

 奥田さん夫妻は、加古川元気会への参加を機に、同じ境遇の人から認知症に向き合うための覚悟を教わり、服薬や介護などの情報を得てきた。劇は、京子さんの言葉で締めくくる。「独りで悩んでいる方に伝えたい。1歩を踏み出してください。独りじゃないよ。声に出して、伝えてください。必ず、つながります」

 舞台に立つのは、高砂市の子ども会で活動をする小学4年~中学2年の有志十数人。17年9月、同市立図書館で認知症をテーマにした絵本の読み聞かせを子どもたちが担当したのがきっかけだ。その後、18年5月に子どもたちは京子さんの指導ですし作りを体験し、夫妻の歩みも聞いた。

 脚本の完成後、子どもたちは18年末から発声練習や舞台稽古を重ねる。3月にあった稽古では、大阪府内の劇団で演出を手掛ける鈴木径一郎・大阪大特任助教が演技を指導した。

 上演の日程は未定だが、舞台のセットや衣装は作らず、朗読劇に近い形になるという。京子さん役の同市立伊保小6年松井彩弥乃さん(12)は「難しい役だと思うけど、本人になりきって気持ちを伝えられるようにしたい」と話している。

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