兵庫県高砂市・高砂神社の秋祭りが10日、初日の神幸祭を迎え、3年に1度、みこしが海を渡る「舟渡御」があった。神社近くの堀川岸壁から、締め込み姿の男たちが海に飛び込みながらみこしを「御座船」に載せると、集まった観衆たちは大きな拍手を送った。
舟渡御は大漁と安全を祈願する神事。1960~84年に中断していたが、85年に復活し、現在は3年ごとに行われている。
みこしや馬に乗った稚児の「一ツ物」などの行列は午前に神社を出発し、旧サンモール南側の御旅所へ。神事後、堀川に向かった。日が落ちたころ、船積み担当の東宮町地区の氏子がみこしを岸壁に運び込み、「ヤー」という掛け声に合わせて御座船に滑らせた。
御座船は大漁旗を掲げた漁船に引かれて河口付近まで行き、約1時間かけて堀川岸壁に戻ってきた。海中から船上に上がり、みこしの屋根の稲穂を取った大学4年生(24)は「取った瞬間、ヨッシャと思った。来年就職なので飛躍できたらいいですね」と喜んでいた。(若林幹夫、本田純一)
