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家族会に参加するようになり「気持ちが救われた」と語る女性=加古川市内
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家族会に参加するようになり「気持ちが救われた」と語る女性=加古川市内

 「すごく落ち込んでいた去年と今では、私の気持ちが天と地ほど違う。主人にも余裕を持って接することができるようになった」。兵庫県加古川市の会田昌子さん(65)=仮名=は、認知症の夫俊之さん(73)=同=を支えながら過ごした1年をしみじみと振り返った。

 「加古川認知症の人と家族、サポーターの会(加古川元気会)」から誕生した「つどい場 楽」。認知症と診断されて間もない人の家族らが少人数で集まり、悩みを打ち明け合う。

 昌子さんは、最近は夫が穏やかに過ごしていることを報告し、「ここに来ると、すごく気持ちが救われる。最高ですね、家族会。これからも頑張ります」と話すと、他のメンバーが「頑張りすぎたらあかんよ」と気遣う。昌子さんは「じゃあ、遊びながら頑張ります」と笑顔で答えた。

 俊之さんが脳梗塞で倒れたのは2年前の冬。加古川に住む妹の近くにと、九州から夫婦で引っ越してきて、1カ月もたたないうちだった。搬送先の病院を退院した後、認知症と診断された。「まさかって、パニックで。知らない土地に来て、これから新生活という時だったから」と昌子さん。

 地理も分からず、頼れる人は妹以外はいない。治療にも納得ができず、不安しかなかった。ある時期、俊之さんにはこれまで見たこともない目つきで、昌子さんを責める症状があった。「主人には『もう、しっかりしてよ』って気持ちが強く、優しくしないといけないのにできなかった。私は鬼瓦みたいだった」

 昨年の春、「元気会」の存在を知って電話をかけてみた。代表の吉田正巳さん(75)から「おいで、おいで」と誘われ、定例会に初めて出席。その時、認知症の夫を10年以上介護する女性(64)=高砂市=から「一緒に頑張っていこう」と声をかけられた。

 昌子さんは今でもその言葉を大切にしている。「すごく力強くて、元気づけられた」

 いろんなことが少しずつ変わり始めた。「みんな大変なことを乗り越えてきたのに穏やか。見習いたいなって」。他の家族と接していると、気持ちが優しくなった。「一番しんどいのは主人やな、と思えるようになった」。アドバイスをもらって病院も変えた。

 「元気会」では、制度や介護法などについて学び、病院や介護サービスの情報交換をする。知識は宝と実感するようになり、何か一つでも得て帰ろうと意気込んで参加する。「ここに来ると、進むべき道が見える気がする」

 今は俊之さんの症状は記憶障害が主だが、いつどのように進行するかは分からない。でも以前よりも前を向けている。

 「気持ちを共有できる仲間がいるから。私は1人じゃない」(切貫滋巨)

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