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リフォームに合わせて耐震改修した魚住正勝さんの自宅=加古川市
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 「倒壊または大破壊の危険あり」

 兵庫県加古川市の魚住正勝さん(75)は2017年9月、無料の簡易耐震診断の結果を受けて改修を決断した。自宅は45年前に建てた木造2階建て。傷みは目立たなかったが、壁の少なさが影響し、1以上で安全とされる「評点」が0・57だった。

 「以前から家に手を入れないといけないと思っていたけど、診断結果が出て踏ん切りがついた」

 妻(75)とともに脚が悪く、夫婦で介護保険の要支援1の認定を受ける。診断を受けた翌年夏に4カ月かけ、廊下の手すり設置やトイレ、風呂のリフォームと併せて耐震化した。柱やはりはそのままにすべての土壁を筋交い入りの耐震壁に取り換え、居間の南向き窓4枚を2枚に減らして壁を増やした。

 耐震化とリフォームの費用は計約1200万円。市からの補助金150万円に、介護保険の給付金と県のリフォーム助成を加えた計約200万円を受け取った。残りは自己負担になったが、長男、長女と同居し、まだ何年も住み続ける家。「自分たち夫婦が元気でまだ動けるうちにできてよかった」と話す。

 自宅の耐震化を決めた背景には、避難の懸念もある。膝が悪くて床に直接座りづらい。トイレも和式なら使えない。10年前に町内会の研修で神戸市中央区の人と防災未来センターを訪れ、災害時の避難所の状況を学んだ。

 「被災して自宅で過ごせなくなったらつらい。少しぐらいの地震なら大丈夫という気持ちになれたのは大きい」

     ◇

 加古川市は25年度の耐震化率97%を目標とするが、18年度で83%。13年度から1・9ポイントしか向上していない。県は16年度から要支援・要介護認定を受けた高齢者らのリフォーム助成に耐震診断を義務付けた。以降、市内の診断件数は伸びたが、魚住さんのように改修まで至るケースは年間10件前後にとどまる。

 費用や跡継ぎがいないなどが要因に考えられるが、年間10件以上の診断を請け負う加古川市の1級建築士の男性(72)は「診断結果だけでも備えにつなげられる」と話す。

 診断は間取りの見取り図を作成して壁の配置などを調べ、屋根裏や床下を目視する。現地調査は1時間ほど。図面があれば30分で済む。診断中に住民から「結果が悪ければどうすればいい」と尋ねられることが多い。そんな時は改修以外の方法もアドバイスする。

 屋根瓦を軽い素材に変えるだけでも耐震性は上がる。壁が多い部屋や、上階がない部屋を寝室にするなど、場所の安全を考えることも効果的という。

 「人間の健康診断と一緒。大丈夫なら安心だし、危険が見つかれば家の使い方を考えるきっかけにすればいい」(若林幹夫)

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