東播

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2011年の浸水被害の写真を展示する赤堀敬二さん=高砂市阿弥陀町魚橋
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2011年の浸水被害の写真を展示する赤堀敬二さん=高砂市阿弥陀町魚橋
防災研修会でフェニックス共済を説明する田内朋子さん=高砂市、荒井公民館
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防災研修会でフェニックス共済を説明する田内朋子さん=高砂市、荒井公民館

 地震や水害から住まいを守るためには耐震化や保険加入は欠かせない。だが、金銭負担も大きく、遅々として進まない。行政や住民グループは災害に強い地域づくりを目指し、地道な啓発を続ける。兵庫県東播地域で活動する防災士、県住宅再建共済基金の加入促進員に、思いを聞いた。(若林幹夫)

■地域全体で危機意識共有を 高砂・魚橋北自主防災会会長 赤堀敬二さん

 茶色く濁った水が道路そばまで迫る法華山谷川、自動車のタイヤが隠れるまで漬かった住宅街-。下流域の同県高砂市阿弥陀町魚橋にある魚橋北自治会集会所には、2011年の台風12号で一帯が浸水被害を受けた際の写真約30枚が地図と合わせて展示されている。

 「住んでいる地域で起きた災害を忘れず、どんなリスクを抱えているかを知ることが備えにつながる」

 展示したのは魚橋北自主防災会会長の赤堀敬二さん(71)。11年の水害をきっかけに防災への関心が高まった。防災士の資格を取り、川の構造や地域が浸水した要因を調べるようになった。当時は川につながる用水路の水位が上昇。本流からも水が流れ込み、降り続く雨水が排水されずに一帯が浸水した。

 県による治水対策が進み、11年と同程度の降雨量では浸水しないように整備されたが、「安心感が広がったものの、絶対に安全ということはない」。昨年8月には「千年に1度」の降雨による浸水想定が公表され、周辺は水深3メートル以上が予想される。「いつ起きてもおかしくない」と危機感を募らせる。

 「ハザードマップは浸水深だけでなく、どこから流れてくるかも関心を持たないといけない。個人が1人で備えるには限界がある。自主防災組織など地域全体で危機意識を共有しないといけない」

■元の場所で再建、復興の早道 フェニックス共済の加入促進員 田内朋子さん

 「住宅再建を支援する仕組みがあればもっと復興が早かったはず」

 東播磨県民局に駐在し、県住宅再建共済基金(フェニックス共済)の加入促進員を務める田内朋子さん(56)=同県加古川市=は25年前の思いを胸に活動する。

 当時、神戸市東灘区北青木のマンションに住んでいた。壁にひびが入り、室内のドアが開かなくなった。家族は無事だったが近くの市場は全焼し、周りの戸建ては多くが倒壊した。翌年に夫の転勤で引っ越すまで更地になった土地が広がったまま。戻ってくる住民はほとんどいなかった。

 「みんなどこに行ってしまったんだろうと思いながら青木を離れた」

 2018年4月からフェニックス共済の加入促進員を務めるようになり、記憶を思い起こすようになった。「当時は災害に対する意識が低かった。共済は助け合いの制度。もっと広めないといけない」

 地域の防災研修会や避難訓練で年5千円の掛け金で最大600万円の定額給付が受けられる仕組みを説明する。伸び悩む加入率に「まだまだ知られていない」と歯がゆさを感じる。

 「地震や水害などの災害が起きても、それまでの生活を続けられるように備えを考えてほしい。住民が元の場所に住宅を再建し、コミュニティーを戻すことが街の復興につながる」

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