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新型コロナウイルス感染症への対応を語る大西祥男院長=加古川中央市民病院
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新型コロナウイルス感染症への対応を語る大西祥男院長=加古川中央市民病院

 新型コロナウイルス感染症で軽症や中等症の患者の入院を受け入れた加古川中央市民病院(兵庫県加古川市加古川町本町)の大西祥男(よしお)院長(63)が、神戸新聞社の取材に応じた。同病院は、医師1人が家族からとみられる経路で感染したが、素早い対処で院内感染を出さなかった。救急現場では患者の感染を疑いながら診察するなど、未知のウイルスにスタッフが不安や緊張感を抱きながら対応した実情を語った。(聞き手・斉藤正志)

 -4月14日にPCR検査で医師の感染が判明した。

 「医師から家族が発熱したと連絡を受けたのは4月3日。自宅で待機するように指示した。12日になって症状が出始めたが、患者やスタッフと接触しておらず、感染は広がらなかった」

 「2月下旬から職員に勤務前の検温と上司への報告を義務付け、3月には家族に体調不良があれば連絡して指示を仰ぐように通知していた。早めに対応を決めていたことが奏功した」

 -重症患者に対応する2次救急医療では東播磨圏域の中核としての役割がある。

 「救急外来の患者は、発熱など少しでも症状があれば、陽性患者と同じ対応をしなければならなかった。スタッフは防護服にフェースシールド姿で、(ウイルスが流出しないように気圧を低くした)陰圧室で診察した。PCR検査は結果が出るまで3日程度かかるため、抗体検査や短時間でできる院内LAMP(ランプ)法の検査などもしたが、どれが正解なのか、模索しながらの対応だった。常に緊張感があった」

 「県立加古川医療センターが感染症拠点病院になり、センターの2次救急の輪番を引き受けている」

 -軽症や中等症の感染者の入院を受け入れた。

 「PCR検査を(院内外で)678回行い、陽性と確定して入院したのが8例、疑いがあり入院したのが88例あった」

 「3月上旬には病棟一つを新型コロナ対応の専用とし、45床を用意していた。専従の医師、看護師を決め、4月5日に実際に軽症者を受け入れた。スタッフには感染する不安、他の人に感染させるのではという不安もあった。リエゾンナース(精神看護専門看護師)が、スタッフの不安を聞き、個別に相談を受ける機会をつくってくれた」

 -新型コロナの感染拡大に備え、病院機能を維持するため、通常の診療や手術を一部縮小した。

 「4月13日から開業医からの紹介について急を要しない場合は控えてもらい、不要不急の手術も延期せざるを得なかった。段階的に解除し、6月1日から通常に戻した」

 -手術にも感染対策が必要だった。

 「口から挿管し、麻酔をして手術をする患者には、4月30日から手術前にPCR検査をするようにした。挿管時にエーロゾル(微粒子)が出て感染する恐れがあった。これは県内でもかなり早い措置だった」

 -病院の強みとされる周産期医療や小児医療での役割も大きかった。

 「陣痛、分娩(ぶんべん)、回復まで過ごせるLDRという個室が整備されている。地域の開業医が感染疑いのある妊婦を受け入れられず、加古川中央市民病院で帝王切開した例があった」

 「小児では6床を新型コロナの専用病床とし、圏域外からも受け入れた。幼い子どもは親と離れて個室に入院し、より孤独になってしまう。スタッフがタブレット端末で母親とテレビ電話させるなど、工夫してくれた」

 -第2波も予想される。

 「直近7日間の平均陽性患者数の推移を注視するなど、できるだけ早く流行の兆しを捉えたい。陽性患者を隔離する設備なども、さらに導入する予定だ。これまでの対応の検証を既に始めており、第2波に生かすため、毎週の対策本部会議で話し合っている」

【加古川中央市民病院】加古川東・西の両市民病院が統合し、2016年7月に開院。東播磨圏域の基幹病院として高度急性期医療、急性期医療を担う。33診療科に計600床を備える。2次救急医療機関として年間約1万5千人の救急外来患者を受け入れている。地方独立行政法人「加古川市民病院機構」が運営する。

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