東播

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男児と、お気に入りの「セイリングオーダー」=加古川市米田町船頭
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男児と、お気に入りの「セイリングオーダー」=加古川市米田町船頭
ほぼ毎日訪れるという女性=加古川市米田町船頭
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ほぼ毎日訪れるという女性=加古川市米田町船頭
にぎわう馬場=加古川市米田町船頭
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にぎわう馬場=加古川市米田町船頭
朝の餌やりをするスタッフの広島由美子さん=加古川市米田町船頭
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朝の餌やりをするスタッフの広島由美子さん=加古川市米田町船頭
出張イベントで活躍するポニー「姫」=稲美町六分一
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出張イベントで活躍するポニー「姫」=稲美町六分一

 兵庫県内最大級の会員制乗馬クラブ「ニッケ乗馬クラブ・クレイン加古川」(同県加古川市米田町船頭)。元競走馬を中心に約110頭が飼育され、会員は1400人近くに上る。人馬一体で競う馬術は東京五輪の種目でもある。乗馬の魅力を探ろうと、利用者やスタッフの1日を追った。(小森有喜)

■始動

 午前6時。スタッフが厩舎(きゅうしゃ)の扉を開け、馬房(ばぼう)の掃除や検温、体のケアをする。朝の餌やりは広島由美子さん(33)。牧草やペレットを台車で運び始めると、馬たちは鼻を鳴らし、ひづめで地面をたたいて「早くちょうだい」と催促する。

 餌の配分は馬ごとに違うが、「おおよそ記憶している」という広島さん。中学生の時にここで体験したのを機に乗馬にはまった。「体力のいる仕事ですけど、馬を近くで見られて幸せ」

■馬場は活況

 午前9時。利用者が厩舎から馬を引き連れ、馬場がにぎわい始めた。乗馬は年齢による技術差が少なく、子どもから高齢者まで幅広い。71歳で五輪の馬術に出場した日本人選手もいる。

 レッスンはレベルごとに行われ、時速20キロにも及ぶ「駈足(かけあし)」の乗りこなし方、障害物の越え方などを学ぶ。加古川市立野口北小学校5年の男児(10)は通い始めて約1年。足やむちで指示を出し、自分の体の数倍はある馬を操る。「馬と心が通じ合った時がうれしい」。草原や海岸で乗るのが目標だという。

■変化は敏感に

 集団レッスンは多い時で7人ほどが受け、指導スタッフは各所に目を配る。中西由梨香さん(23)も「ホー(止まれ)」などと声で馬に指示し、利用者には「もっとリラックス」と笑顔を送る。人の緊張は馬にも伝わってしまうそうだ。

 馬の動きを毎日見る分、その変化にも敏感。疲れていたらレッスン数を減らし、厩舎に伝えてスタミナがつく食用油や塩を餌に混ぜてもらうこともある。

■再開を心待ち

 新型コロナウイルス感染拡大でクラブは4月から約1カ月間休業した。スタッフの乗馬や放牧で運動は続けたものの少しだけ「コロナ太り」した馬もいたそうだ。

 利用者の栄養士女性(50)=神戸市垂水区=も、再開を心待ちにしていた1人。ほぼ毎日訪れていた分、寂しさもひとしおだった。「今は楽しくて仕方がない」。明るい表情で馬場を駆けていった。

■記者も体験

 昼すぎ、初心者向けの体験レッスンの参加者も増えてきた。馬へのまたがり方、手綱の持ち方など基本を教わり、直径4メートルほどの円をぐるぐると回る。

 記者も参加。馬の腹を蹴ると速歩(はやあし)になったり、手綱を引いて速度を緩めたり。バランスを保つため自然と体幹に力が入る。「乗馬をしていると無意識のうちに痩せますよ」という渡辺さんの言葉が浮かんだ。乗せてもらったのは、人懐こいメス「セイリングオーダー」(8歳)。栗毛の背中をなでると、心が和んだ。

■ポニーの出張

 コロナ禍の自粛疲れを癒やしてもらおうと、ポニーの出張も実施。稲美町六分一の農産物直売所では、体高約110センチのメス「姫」が子どもたちの人気を集めた。「触っていい?」「乗ってみたいなあ」。おなかや鼻をさすられたり、ブラッシングしてもらったり。心なしか姫もうれしそう。

■休息

 午後5時にはレッスンが終了。ケアを終えた馬は厩舎に戻り、それぞれの馬房で休息、翌日に備える。

 引退した競走馬は殺処分されることもある。乗馬クラブは競走馬に“第2の人生”を提供する場だ。所長代行の赤井哲朗さん(42)は「日本に乗馬の文化をもっと根付かせたい」と力を込めた。

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