兵庫県稲美町国岡2の古民家で毎週水曜日、地域ぐるみで運営する駄菓子店「みんなのお茶の間 ゆるり家」が、新型コロナウイルス感染拡大による休業から再開した。子どもたちには長時間の接触を防ぐためにドライブスルーならぬ「ウオークスルー方式」で駄菓子を選んでもらい、入店前には1人ずつ、フラフープの中で並んでもらって互いの距離を保つなど、少しでも楽しめるよう感染対策に工夫を凝らしている。(小森有喜)
ゆるり家は2009年、2人の子どもが当時小学生だった濱田理恵さん(50)=同町=ら母親たちが、協力して立ち上げた。天満小学校近くの築50年の古民家を借り、学校でも家庭でもない“第3の子どもたちの居場所”として運営。週3回は学習塾を開く傍ら、親子で集まって親同士も子育ての情報を共有できる「子育てひろば」や、夏休みの工作を手伝うワークショップなどの催しも企画する。
週1回の駄菓子店には、普段は多い時で50人ほどが訪れる。菓子を買った後に和室の中で宿題をしたり、おもちゃで遊んだり。学年の壁を越えた交流の場にもなっている。
だが、コロナ禍で3カ月間休業。6月上旬に再開してからは、子どもたちには入店前に手指をアルコール消毒してもらい、一度に5人までしか入れないようにした。和室に10、20、30円と値段ごとに菓子が並べられ、立ったままかごの中に入れて屋外で会計してもらう。玄関前で待つ時には、子ども同士のソーシャルディスタンス(社会的距離)を保つため、フラフープを目印に並んでもらっている。
天満小6年の男児(11)は「お店がまた始まるのが楽しみだった。そのうち、前みたいに和室の中で遊びたいな」。濱田さんは「感染対策を取りながら、地域で子どもが交流する場を維持していきたい」と話す。毎週水曜午後3~5時。
【記事特集リンク】新型コロナウイルス
