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山片蟠桃の書とされる掛け軸を背に、夢の代の写本を手にする伊藤勝之さん=高砂市内
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山片蟠桃の書とされる掛け軸を背に、夢の代の写本を手にする伊藤勝之さん=高砂市内
全12巻ある夢の代の写本=高砂市米田町島
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全12巻ある夢の代の写本=高砂市米田町島

 現在の兵庫県高砂市神爪(かづめ)出身で江戸時代後期に活躍した町人学者、山片蟠桃(やまがたばんとう)(1748~1821年)の代表的な著作「夢の代(しろ)」の写本を、同市の住宅メーカー社長伊藤勝之さん(76)が入手した。全12巻がそろい、紙質などから江戸後期に写されたとみられる。蟠桃研究の第一人者で元早稲田大大学院教授の末中哲夫さんが長年所有していた。取り次いだ老舗古書店の中尾松泉堂書店(大阪市)は「末中先生が大切にされた貴重な本。縁のある所に納まり、ほっとした」と話す。(小尾絵生)

 夢の代は、蟠桃が学問所で学んできたことや自身の思想をまとめた大著。執筆は約20年にわたり、74歳で亡くなる前年に完成した。その間に失明し、口述で続きを記したとされる。

 12章で構成され、内容を現在の学問分野になぞらえると、天文▽地理▽歴史▽政治▽経済▽道徳▽仏教▽迷信▽健康-といった幅広い分野に及ぶ。例えば、天文の章では、天文図などを交え、太陽系では地球が太陽を中心に回っていることなどを説く。「無鬼論」の章では鬼や神、怪異などは存在しないと論ずる。

 伊藤さんが入手した夢の代は、「山片蟠桃の研究」などの著書がある末中さんが所有していたもの。末中さんは同書の中で写本について、1950年に大阪の古書大会場で入手したことを記している。また同書によると当時、写本は国内外で約40冊の存在が確認されていたという。

 末中さんが高齢となり「しかるべき所に譲りたい」と、同古書店に愛書を預けていた。伊藤さんは蟠桃ゆかりの書物があると知り、「地元のためになるなら」と昨年4月に購入。「蟠桃は高砂でも知らない人がおり、地域の偉人についてもっと知ってもらいたい。研究したいという人がいれば、写本を活用してほしい」と話す。

【山片蟠桃】13歳で大坂の米仲買に奉公し、番頭として商才を発揮。仙台藩の蔵元として、藩財政の立て直しに貢献した。町の学問所「懐徳堂(かいとくどう)」に出入りし、医学や天文学、朱子学など幅広い分野に通じていた。

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