コウノトリが繁殖できる環境づくりを進めるため、兵庫県加古川市内で初めての人工巣塔が5日、同市神野町神野の布池のほとりに設けられた。地元の神野ため池協議会が、県の助成を受けて計画。布池は2019年度には10羽が飛来する“人気スポット”となり、近くの高圧鉄塔で巣を作りかけたという。今週中にも、餌場に適した水位まで水が抜ける予定で、地元住民が営巣へ期待を寄せている。
人工巣塔は高さ11メートルで、上端に金属製の巣台(直径1・6メートル)を備える。県によると、企業が設置した分を含め、東播磨地域で8カ所目になるという。この日は作業員が重機で穴を掘った後、クレーンで巣塔をつり下げて埋めていた。
コウノトリの東播磨への飛来は年々増加。県によると、19年度に26羽が訪れ、20年度は10月22日時点で既に38羽を確認。同7日には、稲美町のため池に18羽が集まっていたという。
同協議会の厚海正昭会長(68)は「地元の関心も非常に高い。巣作りをして、ひなが生まれてほしい」と話した。(斉藤正志)
