有森裕子さんの苦境乗り越える方法 「なんで」と思わず「せっかく」と考える
2021/02/16 05:30
人生は自らの意志で変えられると話す有森裕子さん=いなみ野学園
女子マラソンの五輪メダリスト有森裕子さん(54)が14日、兵庫県加古川市平岡町新在家の高齢者大学「いなみ野学園」で、「よろこびを力に-有森流 苦境を乗り越える方法」と題して講演した。同学園の学生ら約300人を前に、幼少期や陸上競技との出会いなどを振り返り、「考え方一つで人生は変わる」と力を込めた。
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有森さんは岡山県出身。1992年のバルセロナ五輪で銀メダル、96年のアトランタ五輪で銅メダルを獲得した。現在は、スポーツを通して紛争地や開発途上国の子ども、障害者らを支援する認定NPO法人「ハート・オブ・ゴールド」の代表理事などを務める。
講演では、自らの幼少期について「自分に自信が持てなかった。エリート街道ではなく、うまくいかない時間の方が多かった」と明かした。それでも、五輪でのメダル獲得に導いてくれた故小出義雄さんら恩師3人とのエピソードなどを踏まえ、「強い意志を持つ人に、支える側の人は魅了される。自分自身を強く持ち、苦しい状況でも『なんで』と思わずに、『せっかく(だから)』と考え方を転換してほしい」と呼び掛けた。
同学園に通う女性(73)は講演を聴き、「年齢による体力や気力の衰えに甘んじるのではなく、何歳になってもさまざまなことに挑戦していいんだ、と実感した」と話した。(千葉翔大)