絶品♪コッペパンサンド キッチンカー「母とむすめ」が販売

2021/03/14 05:30

コッペパンサンドのキッチンカー「母とむすめ」を営む(左から)山本千代香さん、長女濱尻世莉果さん、次女山本エリナさん、三女さとさん=加古川市志方町原

 「国産牛ヘレカツ」「三田ポークカツ」などのコッペパンサンドのキッチンカーが13日、兵庫県加古川市志方町原の県道沿いにオープンした。創業約60年の靴下加工場を家族で営む女性が、新型コロナウイルス感染拡大による販売減、家族の闘病など苦難が重なる中、前を向こうと始めた新事業だ。3人の娘と一緒に立つ店名は「母とむすめ」とした。(若林幹夫) 関連ニュース 「卒業までにもう一度食べたい」1位 絶品の給食パン コッペパン誕生100年 各地に専門店、挟む具材は進化中 「体に優しい」パン追求 がん治療続け修業、素朴な風味にファン増加 兵庫・たつののパン店

 女性は山本千代香さん(46)。靴下加工場は夫、学さん(52)の父の代から続くが、コロナ禍で小売店の販売が減り、2年前の取引先の倒産もあって売り上げは半分以下になった。さらに、肺がんを患って自宅療養していた義母朝子さんが昨年8月に80歳で亡くなり、同9月には学さんも同じ病気で手術を受けた。
 千代香さんは環境の激変に「心が折れそうになった」と振り返る。そんな中、長女の濱尻世莉果さん(25)が、パン好きの千代香さんに「いい食材を使って、ぜいたくな商品を作ってみては」とコッペパンサンドを提案。地元・志方町の食肉卸業者などから食材を仕入れ、挑戦することにした。
 肉の小売や焼き肉店を営む「エフコック」の国産牛ヘレカツのコッペパン(税込み650円)は食べ応え十分。ほかにも「大浦ミート」の三田ポーク、「大福精肉店」のチキンなどの具材があり、志方町の鶏卵メーカー「セーラー」の卵はだし巻き卵にした。パンは播磨町のパン店「ブランカブランカ」に特注し、肉に合うように生地に玄米を練り込んだ。
 「キッチンカーでいろんな人と出会い、頑張っていることを伝えたい」と千代香さん。大学生の次女エリナさん(21)、三女さとさん(19)も手伝う。
 当面は毎週土日曜午前11時から、県道神戸加古川姫路線「原西交差点」北側で販売。出店場所提供の協力も募っている。

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