ため池の草刈り、ビジネス展開へ 兵庫大生のチーム「担い手不足で需要ある」
2021/04/20 05:30
活動の成果を報告する兵庫大の(左から)平野幹さん、目黒愛実さん、松尾優志さん=東播磨フィールドステーション
兵庫大(兵庫県加古川市平岡町新在家)現代ビジネス学科の学生たちが、高齢化で管理が難しくなっている「ため池」を舞台に、草刈りを中心とした新たなビジネス展開を考えている。同学科2、3年生計13人でつくった「ため池プロジェクトチーム」。地域課題の解決策を探る研究拠点「東播磨フィールドステーション」(同市神野町神野)でこのほど、東播磨県民局の職員ら約10人に活動成果を報告。おおむね5年後をめどに、学生による起業も見据える。(千葉翔大)
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チームは昨年4月、同学科の授業の一環として発足。新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、本格的な活動は同10月から始まった。まずキャンパスの近くにある寺田池で草刈りに取り組み、月に1回ほどフィールドワークを行った。
同12月には、西脇市の鉄工会社から借りた最新式の草刈り機4台を紹介する「スマート草刈り実演会」を主催。稲美町加古の加古大池に地元住民約20人を招き、草刈り機の使い方を一緒に学びながら交流を深めた。参加者を対象にアンケートも実施。「(草刈りの)代行サービスを利用したいか」との問いに、回答した14人のうち半数が「依頼したい」と答えた。
今年3月に開かれた成果報告会には、ともに2年生でチームリーダーだった平野幹さん(21)と松尾優志さん(20)ら3人が出席。活動を振り返り、「高齢者の草刈りには危険があるし、何より後継者がいない。若い担い手による代行業は需要があるはずだ」と強調した。報告を聞いた神戸大大学院の特命助教や銀行員からは「(金融機関が新規事業に)融資する場合は、市場が成立するか、収益を見込めるかどうかに着目する」などと助言もあった。
平野さんは「草刈りを入り口に、(ため池周辺の)防獣ネットの設置や廃棄物として出た竹のリサイクル、他の業者とのコラボなど斬新なアイデアを考える」と意気込む。同チームは2021年度、平野さんら新3年生と、新たに2年生をチームに迎えて取り組みを続ける。