本の貸し借りで人がつながる 「本棚オーナー」お薦め本、駅前に私設図書館 「交流と話題発信の基地に」

2021/10/03 05:30

「本棚オーナー」が選んだ本を楽しめる「ニュー☆ハリマ図書室」の在間夢乃さん(右)とオーナーの市川佳代さん=播磨町南野添3

 住民らがいち押しする一冊を貸し借りし、交流する私設図書館「ニュー☆ハリマ図書室」が、兵庫県播磨町南野添3の山陽電鉄播磨町駅前にオープンした。大型本棚には約80個の区画があり、それぞれの「本棚オーナー」が薦める本を読みつつ、コーヒーを味わったり、おしゃべりを楽しんだりと、人と“ゆる~く”つながれる空間。施設の関係者は「人や本との出会いで、新たな世界を広げて」と話す。(門田晋一) 関連ニュース 大型本棚、区画ごとにオーナー 私設図書館「だいかい文庫」 玄関先に500冊の“小さな図書館” 本通じた交流の場に ふれあい喫茶に私設図書室開設 閉校した旧越知谷小の児童書など2千冊

 町内の情報を紹介し、地元限定で配る無料のタウン誌「ニュー☆ハリマ」の編集メンバーらが運営する。取材先などから「町内に住民が交流する場所が少ない」との声を聞き、面白い話のネタがなくても楽しめる場をつくろうと模索。本棚を有料で借りたオーナーが入館者に本を貸す形態とし、豊岡市に2020年12月にオープンした私設図書館「本と暮らしのあるところ だいかい文庫」などをヒントにした。
 数年前まで精肉店だった空きテナントを活用。本棚1区画は縦横32センチ、奥行きは30センチと40センチの2種類。オーナーは月1500円(法人2500円)で好きな書籍が置け、入れ替え自由。関連する物品や写真も飾れる。1日限定の店主として、店内で物販ができるなどの特典もある。
 既に約30人がオーナーに登録し、絵本や小説、図鑑などが並ぶ。「本を通じて交流を深め、新しい知識や価値観を得る場にしてほしい」と室長の在間(ありま)夢乃さん(28)=同町=。オーナーの一人、市川佳代さん(41)=同町=は「播磨町の面白い話題の発信基地になればうれしい」と期待を寄せる。
 オーナー以外も無料で利用できるが、本を借りるには、500円で図書カードを作る必要がある。貸し出しは1回につき2冊で、2週間まで。営業日は月、金、土、日曜で、4日までは午後0時半~同7時。5日以降の営業時間は同図書室のフェイスブックなどで発信する。カフェ併設で、ニュー☆ハリマのオリジナルグッズショップも兼ねる。同図書室TEL080・6978・4181

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