「介護保険料で銀行から電話しない」パートで入職2週間の女性、特殊詐欺見抜く
2021/10/23 05:30
感謝状を受ける中西孝子さん=高砂署
特殊詐欺を防いだとして、兵庫県警高砂署は、みなと銀行宝殿支店(高砂市米田町米田)のパート中西孝子さん(45)に、署長感謝状を贈った。中西さんは、同支店に勤め始めてから約2週間後のお手柄だった。
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同署などによると、9月16日午前、同支店に60代の女性が1人で訪れた。同1日から勤務する中西さんは、案内業務を担当。女性はメモを片手に、現金自動預払機(ATM)の操作方法を中西さんに尋ね、「市役所から『介護保険料の払い戻し』と言われ、銀行から電話もあった」と相談したという。
中西さんは、約10年前まで別の金融機関で勤務。当時から行内で特殊詐欺の注意喚起があり、退職後も詐欺被害が相次いでいることをニュースで見ていた。女性の話に「介護保険料のことで銀行から電話しない」と直感。上司に相談し、同署への通報につなげた。
森本成治(しげはる)署長は「銀行全体で防犯意識が浸透していると実感した」。中西さんは「女性が被害に遭わなかったことが何よりです」と話した。(千葉翔大)