コロナ禍で退職求められた男性 古里で再起、キッチンカーでバーガー店
2021/12/03 05:30
バーガーカモネのキッチンカー=加古川市別府町新野辺北町7
新型コロナウイルス禍で離職した兵庫県加古川市の梅谷洋充(ひろみち)さん(42)が、キッチンカーによるハンバーガー店「バーガーカモネ」をオープンさせた。妻と1歳になったばかりの長男を抱え、昨年5月に勤務するハンバーガー店から退職を求められた時は「どうしようかと、目の前が真っ暗になった」と振り返る。無農薬野菜や天然酵母を使ったバンズ(ハンバーガー用のパン)など、素材にこだわった自信作を開発し、再起を期している。(斉藤正志)
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看板商品の「かもねバーガー」(800円)は、バンズを自家培養の天然酵母を使う大阪市のパン店に特注。無農薬栽培のレタスとベビーリーフ、国産の牛肉や豚肉、スパイスを独自配合したパティ(ひき肉を円盤状に焼いたもの)を挟み、もっちりとした食感に濃厚な味わいが広がる。
トッピングのチーズ(100円)を加えると、チーズバーガーにできる。塩こうじ豆乳ソースに漬け込んだ国産鶏胸肉を使う「クリスピーチキンバーガー」(600円)などもある。
加古川市出身の梅谷さんは、短大を卒業後、神戸市のホテルなどを経て、大阪市のイタリア料理店で勤務。2019年3月に第1子となる長男が生まれた後、同5月から知人の誘いで、大阪府箕面市のハンバーガー店で働き始めた。勤務場所が定まっていることや店舗2階に住めることなど、子育てしやすい環境を優先した決断だった。
しかし20年3月からコロナ禍に見舞われ、店の経営は悪化。客が1人も来ない日が続き、店主に求められて同6月に退職した。
地元の加古川市に戻り、ハローワークに通ったが、コロナ禍で求人自体が少なく、自分で店を出すことを決意。失業手当を受けながら、これまでの経験を生かして独自のハンバーガーを試行錯誤してきた。
貯金や銀行からの融資でキッチンカーを購入。今年8月から、同市内のスーパー駐車場やイベントなどで出店している。「『おいしかったよ』と言ってもらえるのがうれしい」と梅谷さん。「添加物も使っておらず、安全安心で鮮度にも気を付けている。ぜひ味わってほしい」と話している。
8、15、22日の午前11時~午後3時は、同市別府町新野辺北町7、明姫幹線(国道250号)沿いのクリーニング店「ホームドライbyエムズ」駐車場に出店。3、17、24、25日の午前11時~午後5時には、JR三ノ宮駅前に店を出す予定。定期的に出店できる場所も探している。