海の恵みノリ一番摘み 「潜り船」4月ごろまで操業 東播磨漁協

2021/12/11 05:30

網に沿って大きく育ったノリ=加古川市沖

 播磨灘の恵み、養殖ノリの収穫が、兵庫県加古川市沖で始まった。東播磨漁協の漁師が専用船「潜り船」を出し、香り高く柔らかい「一番摘み」をノリ網から次々と刈り取っていった。(広岡磨璃) 関連ニュース 明石で新たに男女2人感染 新型コロナ 12日 「キハ40」ようこそ北条鉄道へ 五能線の引退車両、来春から運行 人気の希少カラーリング 山田錦のしぼりたて、人気漫画家がラベル 加東の酒蔵が2銘柄販売

 同漁協の養殖業者「大●水産」は11月下旬、約1・5キロ沖に長さ20メートル、幅1・6メートルの養殖網を710枚設置。収穫初日の10日は、うち130枚のノリを刈り取った。
 潜り船が海面に浮かぶノリ網をくぐり、船上に設置した回転刃でノリを切り落とす。網1枚から製品のノリ(縦21センチ、横19センチ)200枚分が取れるといい、日中に収穫したノリは、夜間に製品の前段階「干(かん)ノリ」に加工する。
 加古川河口付近の海には窒素やリンなどの栄養素が含まれ、ノリの生育に適しているとされるが、近年は栄養塩の減少や魚による食害が深刻という。大●水産の大●圭右さん(35)は「少し前にまとまった降雨があったおかげで、初日は黒くていいノリが収穫できたが、今後の収量には不安がある」と話す。4月ごろまで操業し、製品800万枚分の収穫を目指す。
 今年は播磨灘全域でノリの生産が遅れ、10日に予定されていた県産ノリの今季初入札が中止に。次回は18日の予定で、小売店などに一番摘みの製品が並ぶのはその日以降となる。
●は、「浜」の異体字

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