正月の縁起物「にらみ鯛」 焼き上げがピークに 加古川の卸売市場

2021/12/27 05:30

炭火でじっくり焼き上げられるにらみ鯛=加古川水産

 正月の食卓を彩る縁起物「にらみ鯛」を炭火で焼き上げる作業が、兵庫県加古川市野口町長砂の市公設地方卸売市場でピークを迎えている。今年は天然、養殖物を合わせて5千尾を用意。胸びれと尻尾をピンと立てた姿は威勢が良く、運気が上向くようにとの思いが込められている。 関連ニュース 羽子板もハッシュタグの時代 インスタで注目、遠方からも注文 365日「お正月」をしている日本正月協会に「おせち料理の定義」を聞いてみた 「旬の魚」の時期がズレてきている!?美味しい魚をお得にゲットする方法

 尾頭付きのタイの塩焼きは、三が日は箸を付けずに「にらむだけ」という風習から、にらみ鯛と呼ばれる。脂が乗った天然のマダイは山口県で水揚げされ、軟らかい養殖物は愛媛県から仕入れた。長崎県産の天然レンコダイもある。
 同市場内の水産物卸売会社「加古川水産」の社員15人が30日まで交代で泊まり込み、専用のかまどで焼き続ける。焦げないようにヒレに塩をふり、金串2本を刺して反り返らせる。1~1.2キロ(3千~4200円)が売れ筋という。柳本喜博会長は「来年こそコロナが収まり、幸せが訪れるようにと真心込めて焼いてます」と話す。同社TEL079・424・1271
(若林幹夫)

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