果実風味の「白」と香ばしい「黒」 高砂盛り上げろ「祭ビール」 商議所会員7企業の社員ら企画

2022/04/17 05:30

「高砂祭ビール」の完成を祝うリーダーの黒田昌宏さん(中央)ら=リンク

 高砂商工会議所のプロジェクトとしてまちおこしを目指す会員企業7社の社員たちが、兵庫県高砂市内の祭りで飲んでもらうための「高砂祭(まつり)ビール」を造った。派手な秋祭りを盛り上げる果実風味の白ビールと、ろうそくで町を彩る「たかさご万灯祭」の幻想的な雰囲気をイメージさせる、香ばしい黒ビールの2種類。4月から市内の酒店で売り出している。(笠原次郎) 関連ニュース Z世代のカクテル誕生 関学大生考案「地エネの酒」使い「めぐるシェイク」 「中生」「生中」ビール中ジョッキ なんて呼びますか? かつてビールの街、いまや家族連れにぎわう「住みやすい街関西1位」にも


 7社の社員13人は昨年4月から、同商議所が高砂銀座商店街の空き事務所に開いた企業内起業家空間「LINC(リンク)」(同市高砂町鍛冶屋町)で、空き店舗が連なる同商店街の活性化を目指して議論を始めた。
 13人は盛大に催される秋祭りで飲んでもらえるビールを造れば、それに合う料理も売れ、土産物販売にも結び付くと考えた。地元産にこだわり、県内で醸造されているビールの試飲を重ねた。その結果、日本酒の蔵元「小西酒造」(伊丹市)が手掛ける地ビールの味が最も良いと、醸造元に選んだ。
 同酒造のさまざまなビールをメンバーが試飲し、相談しながら決めた。白ビールにはオレンジの皮が入っていて香り高く、その飲みやすさからお酒が進み、秋祭りをさらに盛り上げてくれると期待。黒ビールは濃厚で深い味わいが、「たかさご万灯祭」の醸し出す夜の幻想的な雰囲気にマッチしているという。ラベルに書かれた「祭」の書は、国内外で個展を開いている地元の書家藤田雄大さん(51)が手掛けた。
 酒店「酒商川十(さけしょうかわじゅう)」(同市曽根町、TEL079・448・0018)が、1本(330ミリリットル)600円で販売。代金のうち10円を、市内で開く催しの開催費用などに充てる。
 メンバーは今年中に高砂市内でビールの原料となるホップの栽培を始める予定で、将来は同商店街の空き店舗でのビール醸造を目指す。リーダーの黒田昌宏さん(55)は「ビールの醸造を通して高砂に人を呼び込み、地元を盛り上げていきたい」と意気込んでいる。「高砂祭ビール」は地方発送も行っている。同商議所TEL079・443・0500

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