群れから離れた一匹の雄、山へ戻る日はいつか 町中うろうろ「かみつく危険、距離保って」
2022/06/04 05:30
東播磨地域に出没したニホンザル。花のポットとみられる物を持っている=5月29日夕、加古川市加古川町稲屋(提供)
兵庫県東播磨地域で5月下旬以降、サルの目撃情報が相次いでいる。犯罪情報などをメール配信する県警の「ひょうご防犯ネット」や県の防災アプリなどでは、明石、加古川市、稲美、播磨町で計20件以上が配信された。愛らしい表情につい近づきたくなるが、身の危険を察知して危害を加えてくる恐れもある。専門家は「かみつく危険もある。安全な距離を保って」と呼びかける。(千葉翔大)
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「ひょうご防犯ネット」によると、5月21日、明石市西明石町3の路上で見つかったのを皮切りに、サルの目撃情報は日を追うごとに西へ移動。30日には加古川市加古川町西河原に出没した。目撃されたのが全て同じサルだとすると、6月2日の時点で直線移動距離は計約50キロにも及ぶ。
加古川市内で製造業を営む男性(64)は5月29日夕、趣味の散歩に出かけようと自宅を出たところ、近くに住む知人から「サルがいた」と伝えられた。
散歩を続けた男性は、同市加古川町稲屋付近で偶然サルに遭遇した。「ニホンザルや」と確信。趣味のカメラを持参していたため、住宅街をさまよう姿を撮影した。男性は「(サルは)畑の作物を狙うこともあるし、怖がる人もいるだろう。無事に山の中に戻ってほしい」と話す。
姫路市立動物園(姫路市本町)は、男性が撮影した写真から、4~5歳のオスのニホンザルと分析。一般的なサルの寿命は20~25歳なので、比較的若い個体とみられる。この時期、近親交配を避けるため単独行動をする傾向にあるといい、担当者は「群れからはぐれたのではなく、1匹で暮らすようにあえて離れたのだろう」とみる。
加古川市農林水産課は「同じルートを回っていることから、目撃されているサルは同一の個体の可能性が高い」とみる。担当者は「最優先は人への被害を抑えること。今後もメールなどで注意喚起したい」と話す。