副葬品、勾玉…弥生~鎌倉期の遺跡、最新研究を紹介 兵庫県立考古博物館 出土品など288点
2022/08/19 05:30
県内の遺跡から発掘された土器や陶磁器が並ぶ会場=県立考古博物館
兵庫県内遺跡で昨年から今年にかけて行われた研究の最新情報を公開する、夏季企画展「ひょうご発掘調査速報2022-五国の逸品」が、県立考古博物館(播磨町大中1)で開かれている。弥生-鎌倉時代の遺跡から出土した土器や装飾品など、計288点が並ぶ。28日まで。(児玉芙友)
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同博物館の主催で毎年開催している。今年の催しでは、2021年度に調査報告書がまとまった4カ所と、同年に新たに調査した7カ所の計11カ所を取り上げた。出土品に加え、写真や文章などで遺跡を紹介する約30枚のパネルも添えている。
見どころの一つは、「津万遺跡群」(西脇市)の土の地面を掘って作った「土壙墓(どこうぼ)」で発見された、平安時代末期から鎌倉時代初期(12~13世紀)の副葬品セットだ。墓の中から鏡や鉄製の毛抜き、はさみなどの化粧道具が見つかったことから、埋葬されているのは女性とみられる。副葬品のセットがそろった形で出土することは珍しく、美容のために現在とほとんど変わらない道具を使っていたことが分かる、貴重な資料だという。
また、兵庫五国の5遺跡から発掘された県指定文化財を展示するコーナーもある。小犬丸遺跡(たつの市)で見つかった長さ約70センチの鳥形木製品や、雨流遺跡(南あわじ市)の縦約8センチと大型の「子持勾玉(こもちまがたま)」など、大きさや形が目を引く出土品を集めた。
同博物館の池田征弘課長(53)は、「最新の研究成果を一覧して見ていただける機会。地域色豊かな兵庫五国の姿を味わってほしい」と話す。
午前9時半~午後6時。月曜休館。大人200円、大学生150円、高校生以下無料。同館TEL079・437・5589