「生理の貧困」解消へ 小中学校のトイレに生理用品備え、専用箱に相談度口も 加古川
2022/09/10 05:30
加古川市内の小中学校に設置される生理用品配布用の箱
兵庫県加古川市教育委員会は9月から、市内の小中学校のトイレに生理用品を備え付け、女子児童、生徒が無料で使える取り組みを始めた。新型コロナ禍を機に、経済的な理由で生理用品を買えない「生理の貧困」問題に関心が高まっており、必要な子どもが入手しやすい環境を整える。
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市教委が生理用ナプキンを配布するための専用箱を、中学校に各30個、小学校に各10個配備。トイレの個室に設置し、子どもが自由に使えるようにする。専用箱には、家庭や学校での悩みを相談できる教育相談センターの電話番号も示す。
市教委は4~7月、市内の小中学校各2校で、トイレでの生理用品配布のモデル事業を実施。期間中に、小学5、6年生は1人平均約3個、中学生は同約2個使った。アンケートでは、児童(小学5、6年生)の15・2%、生徒の39・3%が「使ったことがある」と回答。そのうち児童の86・7%、生徒の97・4%が、今後も継続を希望した。
モデル事業で児童、生徒の評価が高く、使用量も多すぎないことから、市教委は全校での導入を決めた。同様の取り組みは、明石市などでも実施している。
加古川市教委学務課は「保健室での配布は今後も続ける。多様な配慮の在り方としてトイレでも配布することで、困っていても言い出せない子どもの支援につなげたい」としている。
(斉藤正志)