六条大麦で作ったストロー、グッドデザイン賞に 廃棄の茎を活用 SDGsの取り組み評価 東播地域の特産

2022/10/27 05:30

2022年度グッドデザイン賞に選ばれた六条大麦ストロー

 兵庫県・東播地域特産の六条大麦の生産過程で廃棄される茎を原料にしたストローが、2022年度グッドデザイン賞に選ばれた。JA兵庫南(本店・加古川市)が20年度に立ち上げた農福連携プロジェクトで、プラスチックストローの代替品として考案。持続可能な開発目標(SDGs)にかなう取り組みが評価された。(増井哲夫) 関連ニュース 麦茶だけじゃない大麦、ストローや装飾品に 一大産地で茎活用へ プラ製品の代替も期待 洗剤やシャンプーの「詰め替えパック」もリサイクル 神戸市やメーカーが新技術目指す 偽「カルビ」で脱炭素 かみ応えそっくり、焼き肉店で大豆の代替肉


 東播地域は冬に雨が少ないことから麦栽培に向いており、22年度は大麦を稲美町や加古川市の約430ヘクタールで栽培し、1442トンを収穫。大半を麦茶の原料にしていたが、問題となったのが、収穫後に出る大量の茎の処分だった。
 同JAは、19年の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)や、東京五輪でプラスチック製品削減の機運が盛り上がったのを受け、茎を乾燥した麦わらをストローの素材とすることにした。21年2月に「大麦ストロープロジェクト」を立ち上げ、福祉作業所に製造委託している。
 同賞を主催する公益財団法人日本デザイン振興会(東京)は審査講評として、「今まで見向きもされなかった地域資源の活用と社会貢献、使い捨てプラスチック削減の三つが盛り込まれた製品」と評価した。22年度は5715件の中から1560件(うち兵庫32件)が同賞に選ばれた。
 大麦ストローは18~22センチの6本入りで230円。同JAの直売所で販売している。同JATEL079・424・1388

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