中国・天津でインドのモディ首相と会談したロシアのプーチン大統領(奥右)とラブロフ外相(同左)=9月1日(ロシア大統領府提供・タス=共同)
 中国・天津でインドのモディ首相と会談したロシアのプーチン大統領(奥右)とラブロフ外相(同左)=9月1日(ロシア大統領府提供・タス=共同)

 【モスクワ共同】ロシアのプーチン大統領の外交を長く支えてきたラブロフ外相(75)が今月に入り重要会議や首脳会談を相次いで欠席し、国内外で異変に臆測が飛び交っている。職務は継続しているが、対米交渉を巡りプーチン氏の不興を買ったとの説や体調不良説が浮上している。

 最初に異変が垣間見えたのは5日の安全保障会議。トランプ米大統領の「核兵器実験」指示発言を受け、プーチン氏が外務省や国防省などに自国の核兵器実験の可能性について検討を指示した重要会合だったが、ラブロフ氏は欠席した。

 モスクワ・タイムズは、先月20日の米ロ外相電話会談の結果としてハンガリーで予定された米ロ首脳会談が中止となり、ラブロフ氏が大統領の不興を買ったと伝えた。

 独立系ラジオ局元編集長でジャーナリストのベネディクトフ氏は、ラブロフ氏の安保会議欠席は「医学上の秘密」が原因だとユーチューブ番組で発言。今月下旬に南アフリカで開催されるG20首脳会議で、大統領代理を務めるのがラブロフ氏でなく、オレシキン大統領補佐官となったことも臆測に拍車をかけた。