国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産への登録を目指す「温泉文化」の定義とは? 日本温泉協会(東京)はこのほど「自然の恵みである温泉につかり、心と体を癒やすという日本人に根付いている社会的慣習」との定義をまとめ、公表した。青柳正規元文化庁長官らが定義づくりに参加。温泉というあいまいな概念を日本独自の文化として捉え直し、早期登録を後押しする狙いだ。
登録されるには、遺産の定義や文化的特徴を明記して政府がユネスコに申請する必要がある。文化庁の担当者は「登録を目指す上で必要なステップだ」と評価している。
日本温泉協会は全国の温泉施設などが会員の一般社団法人。協会の依頼に応じ、青柳氏を座長として、鳥取県の平井伸治知事や民俗学者らでつくる有識者検討会が今年7月に定義をまとめた。
温泉と日本人の関わりは古事記に記述が残るほど歴史が深く、日本人は古くから温泉の効能や湯治の慣習により体の癒やしを得てきた。入浴を通じて四季を感じ、自然と交わり、神からの授かり物として信仰の対象とするなど心の癒やしも得たとしている。
























