2日、スリランカ中部キャンディで、豪雨による土砂崩れの現場を見る警察官(ロイター=共同)
 2日、スリランカ中部キャンディで、豪雨による土砂崩れの現場を見る警察官(ロイター=共同)

 【パダン共同】11月下旬に豪雨による洪水が同時発生したインドネシア、スリランカ、タイで2日、死者が計1100人を超えた。インドネシア国家災害対策庁によると、スマトラ島で死者は600人を超え、約450人が行方不明。スリランカでは死者390人で行方不明352人、タイ南部では170人が死亡したと各当局が発表した。救助や復旧活動が続く。

 甚大な被害が出たインドネシアの西スマトラ州パダンの海岸では2日、真っ青な海に茶色の濁流が流れ込むのが上空から確認された。国家災害対策庁によると、洪水や土砂崩れは広範囲で発生。多数の橋が損壊し、救援は難航している。

 スリランカでは中部の丘陵地帯を中心に洪水や土砂崩れが相次ぎ、日本やインドなどが支援に乗り出した。政府は非常事態宣言を出しており、捜索や救助に軍を動員した。11月30日には救助活動中のヘリコプターが墜落し、パイロットや兵士ら計6人が死亡した。

 タイでは南部ソンクラー県ハジャイを中心に被災。市街地の冠水は収まり始めたが、停電や工事技術者の不足で復旧は見通せていない。